新規登録がまだの方

下の[新規登録]ボタンを押してコミュニティに登録してください。

新規登録(無料)

登録がお済みの方はこちら

コミュ二ティポイントのご案内

詳しく見る

親父たちよ

親父たちよ>掲示板

公開 メンバー数:62人

チャットに入る

サークルに参加する

サークル内の発言を検索する

新しいトピックを立てる

サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。

閉じる

  • from: クマさんさん

    2012年01月24日 05時56分04秒

    icon

    「ありがとうございました」

    仕事から帰って来ると、「ありがとうございました」と父と母に声をかける。
    母は、台所に立って夕餉の支度をしていることもあり、
    炬燵に入ってテレビを観ていることもある。
    昨晩は、父は炬燵で丸くなって眠っていた。
    「爺ちゃん元気らけ。」と母に聞く。
    母は、「元気らよ」と答える。
    「婆ちゃん具合どうらん」と聞くと、
    「大丈夫。少しよくなった」と返事が返ってくる。

    そんな会話が、ここ何年間我が家で続いている。
    「ありがとうございました」というのは、
    長男と次男のことを預かり、親身になって育ててくれたからだ。
    私たちは共稼ぎであるために、
    朝は、子どもたちのことをお願いして仕事に行かねばならなかった。
    長男が保育園。次男がまだ赤ん坊の頃からお世話になった。
    母は、次男をおぶって大山保育園に長男の手を引いて連れて行ってくれた。

    怪我をさせてはいけない。
    病気にならせてはいけない。
    わがままに育ててはいけないと、
    子どもを預かることは心配なことが多かったようだ。
    我が家がいつも楽しく、笑顔で暮らせたのは、
    この二人の子どもたちのおかげさまだった。
    とにかく長男はよくしゃべり、よく動いた。
    次男は、どうやったら笑わせられるか考えて、愛嬌たっぷりの子であった。

    「ただ今」「ありがとうございました」
    だから、いつしかそれが帰宅の時の挨拶になった。
    私が帰って来ると、長男も次男も飛んで来たものだが・・・。
    それは、今は夢の夢。
    子どもたちの賑やかな声と笑いが溢れていた頃が懐かしいとつくづく感じる。

    さて、父も母もすっかりと年を取ってしまった。
    老いるとはどういうことなのか。
    それは、日々の二人を見ているとよく分かった。
    いずれ私も行く道なのだ。
    枯れるとでも言うのだろうか、命がしぼむとでも言うのか、
    そのことに対しては、生きているもの全ては抗うことができないことなのだ。
    「降りてゆく生き方」とは、父と母を見ていると、
    人の自然な生き方なのだと納得する。

    2年前の秋に、母は胃癌の手術を受けた。83歳だった。
    気丈で体力のある母だからこそ、生還できた手術だった。
    その秋に、私はその年の正月はないと覚悟を決めていた。
    父はどう生きるのかとも心配していた。
    しかし、お陰様で、今年の正月も母の手造りの「こと」を食べられた。
    父と母には、まだまだ長生きしてもらいたい。

    子どもたちが大きくなり、長男は大学生となり自宅を出た。
    次男は高校生となった。
    帰宅の時の挨拶は、それでもやっぱり「ありがとうございます」だ。
    私は、何について感謝しているのだろうかと、考えてみた。
    それは、「今日も生きてくれていてありがとうございました」であり、
    「父と母とを守ってくださり、ありがとうございました」なのだと今、悟った。

    「ありがとうございました」と、父と母に言える平安。
    その平安に対しても「今日一日をありがとうございました」なのだと思った。

    これからも、毎日、ずっとずっと、「ありがとうございました」を言い続けたいと心から願っている。

    • コメントする

      サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0
    • 拍手する

      サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 6

    icon拍手者リスト

コメント: 全0件