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  • from: クマさんさん

    2012年01月29日 06時44分09秒

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    グレーン・グールド

    本日、オペラ「てかがみ」の本番だ。
    私は、訳あって途中で練習に参加しなくなった。
    タイトな練習日程と、仕事が重なり、ご迷惑をかけてしまった。
    歌うことの喜びを、練習を通して改めて感ずることができた。
    途中で辞めたが、合唱曲は全部歌えるだけ自主練習はした。
    音程は?であるが、それだけは満足している。
    東区市民劇団のメンバーが多数出演している。
    我が歌姫のヒョンちゃんも出演している。
    とにかく応援には駈けつけるつもりだ。

    3月の演劇祭のりゅうとでの公演も私は何もかかわっていない。
    東区の沼垂の柵プロジェクトに向けた脚本に専念していたためだ。
    離れると、何だかそこが自分の居場所ではなくなってしまったような気もする。
    かかわり、参加し、共に多くの時間を過ごすことで、
    お互いの絆は固く、確かなものになる。
    練習や稽古を積むと言うことは、
    それを共に創りあげる仲間となり、同志となることなのだ。
    振り返ってみたら、
    良念さんで演劇に参加していたころが一番充実して、楽しかった気がする。
    毎日トンネルを歩いて台詞を覚えていた頃から、
    既に1年たっている。

    グレーン・グールドというカナダ出身のピアニストがいた。
    私は、20年以上前だろうか、彼のバッハを聴き、衝撃を受けた。
    これはバッハではなく、これがバッハだった。
    そのゆったりとしたつぶやくようなピアノの音に魅了された。
    「ゴールドベルク変奏曲」は、毎日聴いても感動ものの音だった。
    そんな彼のドキュメンタリー映画がシネウィンドで上映されている。

    高さ30センチの椅子に座り、ピアノに肩の高さで両手を置く。
    バッハを分解し、彼のバッハに組み直す。
    グールドは、音を真摯に追究し続け、創造する音楽家であり続けた。
    その音は、きっと聴衆に感動と驚きとを与える音だと信じ、
    その効果を手応えとして感じていた音楽プロデューサーでもあった。
    愛を求め、家族を求め、そして、孤独に生きた人。
    グールドは繊細で、人との付き合いが苦手で、エキセントリックに我儘だった。

    ああ。あれだけ私が憧れ、心静かに聴いていた曲は、
    こんな風にして演奏されていたのだなぁ。
    私にとっての幻のグールドが、目の前で独特な動きでもって演奏している。
    音を創る。音を紡ぐ。その音は、演奏者の魂に響き、人々の心に届く。
    創作された表現は、聴く人たち全てと共有される。
    その共感を生み、その涙を生むのは、グールドがピアノを弾いたからである。

    グールドが、森を歩き、雪解けの激しい川の流れを前に、
    音楽を歌いながら、両手を挙げて指揮をしているシーンがある。
    その怒涛の流れの中に在る音楽を彼は感じ、歌を歌う。
    表現すべきものはそこに在り、表現する人の登場を待っている。
    そして、グールドが現われ、バッハやモーツァルトに新たなる息吹を与えた。

    表現は、その瞬間、即今の芸術だ。
    そして、神や自然や命や人生が、そこに表現者を介して現われる。
    その非現実的なドキュメントに、我を忘れて心を打たれる。
    表現者も忘我であり、聴衆も忘我である。
    我が無いところにこそ、真実の我が在る。
    感動とは、それなのだと今は思う。

    オペラ「てかがみ」
    演劇「王瀬の長者」
    それも表現者の喜びとして同じことなのではないだろうか。
    忘我の中に真実がある。
    本日の「てかがみ」にきっとその真実が現われることと思っている。

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