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  • from: クマさんさん

    2012年03月16日 22時10分37秒

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    母のこと

    実は、先日K病院に妹と二人で行って来た。
    母の主治医に会うためだった。
    母は2年前10月に胃癌の摘出手術を受けていた。
    その年の夏に突然胃癌が見つかり、
    私たち家族は青天の霹靂に天を仰いだ。
    何で・・・母が。

    とにかく84歳では、手術の選択肢は少ないものだった。
    しかし、主治医のS先生が医師として尊敬できる人であり、
    母は必死に生きることを願い、
    幸いにしてその年にしては母が体力があったことで、
    S先生は手術に踏み切ってくれた。
    実に九死に一生だった。

    手術後に父と私は部屋に呼ばれて、摘出された胃を見せられた。
    癌は全て取り去ることができた。
    ただし、リンパ節の肥大が見られるので、
    転移の可能性はゼロとは言えないと言うことだった。
    それでも、私たちは命を救ってもらったことへのただただ感謝しか感じなかった。
    その日から、私たちはいつか別れる日が来るのだと、
    実は命の儚さと尊さを感じつつ、母と一緒に生活することになった。

    母は、昨年の正月明けに、突然具合が悪くなり、入院することとなった。
    強い抗がん剤の副作用のせいだった。
    私たちは医師と相談して、弱い抗がん剤に母の命を託することにした。
    母をこれ以上苦しませることは、私に忍びなくてできなかった。
    心配する母には何も言わなかった。
    「胃の手術をした人は、みんなこうなるって先生が言っていたよ。」
    再入院を最も心配したのは、父だった。
    父は、おろおろと実に情けないぐらいの父だった。

    さてさて、今年も無事にお正月を迎えられたと安心していたら、
    気がつけば、母はいっそう痩せていた。
    いくら食べても体重が増えないのだ。
    その内に、あれだけ元気に動きまわり、家族のために家事をしていた母が、
    炬燵で寝ていることが多くなった。
    おかしいことは、母も気づいていた。
    そして、定期健診で肝臓に転移した癌が大きくなっていることが見つかった。

    2週間前に、医師は余命の宣告を妹にした。
    私は、信じられなかった。
    しかし、変に冷静に受け止められた。
    不思議なことだが、取り乱すこともなく、平静に妹からの報告を電話で受けていた。
    妹は、泣いていた。
    言葉にはならなかった。

    私は、しかし、何だか母は医師が予告した通りにはならない気がした。
    大丈夫だと、勝手に想った。
    そんなこんなの3月だった。
    母は、今夜もだるそうに炬燵で眠っていた。

    私は残された月日に何をしたらよいのだろうか。

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