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  • from: クマさんさん

    2012年06月29日 11時01分46秒

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    弔問のお客様

    昨日が本当の初七日だった。
    もう一週間たってしまったのだ。
    先週の今頃は、母は座敷に白い布を被って横たわり、
    私は、3時〜5時過ぎまでのセレモニーの段取りと打ち合わせから解放され、
    未だ何が起こっているのか認知できないまま、
    現実逃避のようにぼんやりていた時刻かもしれなかった。

    本当に今回は、近くの親戚の叔母さんたちがありがたかった。
    とにかく、何から何まで初めてのことなので、
    叔母ちゃんたちに一つ一つ相談をして決めごとは、決めることにした。
    誰を呼び、お斎では、どのテーブルに誰がつくか。
    引き出物は何にするか。
    東京の人たちへの連絡とお迎えとはどうするか。
    父をどんな段取りで病院へ迎えに行くか。
    とにかく、細々としたことまで決めねばならないのだった。
    何事も相談なのだと改めて想った。

    昨日、家に居たら、いつもの移動販売の八百屋さんが訪ねて来た。
    私と同じ年くらいの男性が立っていたので、
    弔問に来た人かと思っていたら、木曜日にトラックで来る八百屋さんだった。
    母のことを告げたら、とても驚いていた。
    その動揺ぶりは尋常ではなかった。
    「お参りさせてもらえますか?」彼は、座敷に上がってお参りをしてくれた。
    「実は、私もこの五月に父を亡くしまして・・・・。」
    彼がこうしてお参りするには、そんなわけもあったのだ。
    親を喪った人の悲しみは、その悲しみを知る人しか分からないものだった。

    それから、昨日は一昨日のお悔み欄に母の名前が出ていたので、
    驚いて駆けつけて来てくれた人が何人かいた。
    昔、家族でお世話になった町医者のO先生の奥様が訪ねてくてくれた。
    O先生のお斎には、どういうわけか患者代表で父と母と私と妹が呼ばれた。
    それだけ、可愛がってもらったものだった。
    山本周五郎の「赤ひげ先生」その者の、頑固で一徹で真摯に病と戦った仁の人だった。
    そんな思い出話を何年振りかで奥様とした。
    O先生、喜んでくれたかなぁ。

    夕方、もう70歳を越えただろうか、ご近所の床屋さんが来てくれた。
    父にとっては、唯一の出かける場所で、
    髭を剃りに、毎週のように通った床屋さんだ。
    父の入院と母の死を知り、仕事の帰りに来てくれたのだ。
    父が脳梗塞でリハビリをしていることを聞きねとても寂しそうな顔で帰られた。

    その後に、ご近所の75歳の元中学校教師だったMさんが訪ねて来てくれた。
    杖をつき、靴を脱ぐのも大変そうなMさんは、
    2年前に奥様を突然癌で失くされてから、不自由な独り暮らしだった。
    改めて、こうしてお話したことが無かったが、
    北海道の息子さんの話や生前の奥様の話をしばらくして行かれた。
    寂しそうな横顔に、ついつい私は時間を忘れてお話を聞いていた。

    夕食を食べた後、次男の同級生でサッカー部の仲間だったTさんが、
    お母さんと一緒にお参りに来てくれた。
    小学生の頃、よく我が家に遊びに来て、母がとても可愛がったのだ。
    そのことを忘れられずに、お線香をあげに来てくれたのだ。
    実は、彼のお婆ちゃんも数年前に亡くなっているのだった。
    逞しくなった彼は、今度ガソリンスタンドでバイトするそうだった。

    さて、我が家に弔問に来てくれた人達の共通点が分かるだろうか。

    実は、みんな大切な肉親を亡くされたことのある人たちなのだ。
    床屋さんには、長年難病を患って逝った妹の同級生のお嬢さんがいたのだ。
    つまり、この悲しみを知る人たちなのである。

    君看ずや 双眼の色 語らざれば 憂いなしに似たり 良寛

    私の魂の憂いは、肉親を喪ったことのある人には、よく分かるのだ。
    だからこそ、こうして我が家を訪ねて、お参りしてくれるのだと感じた。

    私も肉親を喪った憂いの人の仲間入りをしたようである。
    これからは、憂いの人として、生きようとも想っている。

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    さけ 秋桜

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