さて、夏季休暇の一日目。
私は夜中に起きて、オリンピックのサッカー準決勝を観ていた。
ああ、メキシコの個人技とパスワークはすごすぎだ。
おかげで、寝不足と脳の休息が足りないために、今もこうしてぼんやりと生きている。

寝坊して朝食が間に合わなかった。
そんな日に限って次男が早目のサッカーの登校だった。
寝ぼけ眼で慌てて車を走らせ、次男を新潟駅まで送った。
その途中にゴミ捨ても忘れなかった。

帰って来てから独りで朝食を食べる。
それから食器を片づけて、洗濯機を回す。
そして、午前中が涼しいだろうと部屋の掃除をする。
さてさて、久しぶりの掃除にはたっぷりと時間がかかり、
いつの間にか１１時を回っていた。
ああっ、何と一日の時間が速いことか。

以前は、ここからS大病院に行き、K病院に行ったものだ。
つまり、やるべきことが順番に並べられているので、
それを順序良くこなすことが精一杯なのだった。
果たして、人生とは、
こうして追われ追われしながらいつの間にか老いて行くものなのではないだろうか。

その間に私が失ったものは、私の時間だったような気がする。
１０年日記をこの三カ月付けていない。
減量を誓いながらも走れぬ日々が多すぎる。
この掲示板も時間がありながら書かない日が多くなった。
本を読めるような生活だったのに、限られた本しか読んでいない。
映画に行ったのは、先々週の一本だけだった。
チケットを買ってのコンサートには、全く行っていないのが現状だ。
飲み会もキャンセルすることが多く、行っても次男の夕食の為に早目に帰っていた。

しかし、やろうと思えばやれたはずのものばかりなのに、
どういうわけか、そこから逃げていのだ。
私は、頭の中を空虚にして、とにかく目の前のことだけを精一杯にこなしていた。
先の事を思い煩うことや、終わったことを後悔することは、しないで、
ただただ、今に生きることに徹せさせられていたのかもしれない。

生活が目いっぱいだと、やっぱり心のゆとりは生まれないもののようだ。
スコーレという暇がなくなると、人は学ぶことをも忘れてしまうらしい。
ただし、考えることはいつでもどこでもできるので、
考え続けることは止めなかった。
もう一つは、その気づきを携帯メールに残して、ある人に送り続けた。

体験したことを、言葉にすることは、
自分らしく生きるためには大切なことだと私は思った。
その体験が深まり、その深い想いを言葉に表現する時、
初めて言葉は、言葉としての重さと存在感とを持つようなのだ。

私は、この怒涛のような三カ月を経て今の私になっている。
それは、三か月前、まだ母が生き、父が我が家で生活していたその頃の私とは、
やっぱりどこか必ず違っているはずである。

その違った私を見つけ出したくて、ここにまた掲示板を書き始めているのだ。

ちっぽけで、弱くて、すぐに動揺し、感情を乱してしまう私は、変わらない。
しかし、私の想いや生き方のベースになる部分で、
やはり私は、深いところに触れた経験により、
変わらざるを得ないように感じている。

今まで、語ろうとしなかった私が、今こうして語りたがっているのである。
その語りたい言葉とは、今だから言える言葉であってほしいと願っている。