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  • from: クマさんさん

    2012年08月14日 08時40分44秒

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    当たり前への感謝

    昨日、我が母校新潟明訓高校が、甲子園で勝利した。
    とにかく全てのことはこの試合までに終わり、
    枝豆をゆで、ブリの刺身を川口魚屋から千円分購入し、
    妻の実家から頂いた瓶ビールをきんきんに冷しスタンバイした。

    二階のリビングのテレビを観ようとしたら、
    サッカーのテレビゲームをしている次男に拒否をされてしまった。
    「下で観たら。」
    それはそれはごもっともなことなのだが、
    父は、この部屋の大型テレビで観戦したかったのである。
    がーん。父は何事にも逆らわず、その言葉に従った。

    三カ月間、毎朝朝食を作り、洗濯物をし、夕食の買い物へ行き、夕食を作った。
    時には、学校や駅まで送り、小遣いまでやっていた。
    それはそれは当たり前の父なのだろうが、
    それを感謝せずに当たり前と感じているのなら、
    やっぱり父としては寂しいものがあった。

    母校の甲子園での試合である。
    それを、二階で観れなかった父は、がっかりとしてしまった。
    人が何か頼む時は、断られたら・・・と怖れつつも頼むものだ。
    それに対してとやかく言うものではなく、
    頼まれたら気持ちよく引き受ければよいのだ。
    私は、新潟明訓の勝利と共に、何だか夕食を作ることに嫌気がさした。

    お腹の減った次男は、冷蔵庫に私が次男のために買った牛飯弁当を出して食べた。
    何だか、もう主夫をやりたくなくなったのだ。
    「めいめいでやろう。」と、食事を作らない宣言もした。
    今朝も、朝食は作らず、私だけが在りもので済ましている。
    しばらくは、このまま食事は食べたければ自分で作ればいいと思っている。

    父は、何も出来ないまま、83歳となった。
    それはそれは、職人としての腕は一流であったろうが、
    競馬と借金とで人生を無駄遣いし、
    その後始末は、母がみんなしていたのだった。
    ある意味、母は献身的に父に尽くした。
    だから、父は毎年あいも変わらずサラ金に膨大な借金をして、
    年末になるとその返済に苦しむのだった。

    老いてからは、父は何一つせず、茶碗を洗う姿も見たことがなかった。
    母が身の回りのことは全てやり、
    父はただただ炬燵に入り、テレビを観るだけだった。
    父は、何もしない。
    いや、父は何もできない。
    そんな父にしたのは、やっぱり母だったかもしれない。
    母が亡くなった今、父は何一つ出来ない自分を途方に暮れている。

    この三カ月間我が家の衣食住は、全て私だった。
    たいそうな料理もできないが、それなりに食べて生きてこられた。
    必要感が人をそう動かす。
    今回の経験は、私にとっては人生の大きなターニングポイントとなった。
    次男も変わった。
    自分がほったらかせば、父が片付けねばならないからだ。
    自動的に食事が出るのではなく、誰かが時間と手間を使って、
    作っているから食べられるのである。

    そんな当たり前のことは、当たり前が機能しなくなり、
    失われた時やっとその当たり前の偉大さが分かるのである。
    時間になると食事が用意されている。
    自分の着る衣服がきれいにたたんでタンスにしまわれてある。
    台所がいつもきちんと片付いて、きれいにしてある。
    リビングを掃除して、みんなの居場所がいつも美しく保たれている。

    何だか家族の中でも、そうした当たり前の生活を維持してくれる人に対しての感謝が、
    やっぱり長年の当たり前となったので、
    忘れてしまっているようなのだ。

    あれだけ、次男が可哀想だからと、食事を作り続けた私は、
    その意欲を喪失してしまっている。
    しばらくは、我が家の食事は、それぞれが自分のために作ることにした。

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