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  • from: クマさんさん

    2012年10月06日 08時17分54秒

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    リハーサルの朝

    リハーサルの朝。
    とうとうこの日を迎えられた。
    疾風怒濤のの日々の中で、やっぱり嵐にはのみ込まれ、
    満身創痍の状態だった。
    倒れたらまた立ち上がり、また倒れたら立ち上がった。
    しかし、独りではないことは、いつも感じていた。

    守られている。
    その頼もしさがあったから、私は立ち上がれたのだと想っている。
    月を見ると母を思い出す。
    「だめだ。もうこれ以上は無理だよ。」と、思うと、
    そこに母がいて、夜空から温かな眼差しで見守ってくれている。
    夜には、月が与えられた。
    その月が存在しなかったら、夜は漆黒の闇夜なのだ。
    自然とは、こんなにしてまでも愛に満ちたものなのだ。

    「大丈夫。大丈夫。」
    不思議なことに限界だと想ったところで、助けが現われ、
    限界が限界でなくなり、一つの通過点に変わって行った。
    「出来ない。無理だ。」と、ちっぽけな自分が思う必要なんぞまったくなく、
    助けはその瞬間、向こうからやって来るのだった。
    私は、それを信じざるを得ない奇跡を何度も何度も経験した。

    夜には、月が輝いている。
    それは、自然が愛であることの証明である。
    私は、その月に見守られて生きている。
    それでは、何も怖がり、何も畏れ、何も心配して生きることはないのだと想っている。

    月は、私が死んでからもそこに在る。
    今の輝きは、明日も続く。
    私は、その月に見守られていることの安心感を感じることができた。
    だから、今を生きられるのだ。

    ゾマイになる。
    ゾマイが降りて来る。
    まず、本日の2回のリハーサルをやり切ることだった。
    舞台には、独りでは立たない。
    客席には、いつも母が居る。

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    さけ

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