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  • from: クマさんさん

    2012年10月12日 06時43分59秒

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    消耗消耗

    未だに、回復していない。
    疲労困憊とはこのことで、立っているのがやっとの状態だ。
    朝は起きられない。
    自分の身体が自分ではない切なさがある。
    一つの役をやり切るとは、こんなにも肉体と精神とを消耗するものなのか。

    役が抜けないと教えられたことが在る。
    リハーサルを含めて6回の公演だった。
    ゾマイという太古の森の勇者になった。
    といよりか、この身体と心とをゾマイに委ねた。
    あれは不思議な感覚なのだが、
    ライトを見上げ、「えいままよ、台詞は出て来るはずだ。」と、居直った。
    そんな素のままに舞台に現われると、
    ゾマイになり、私はゾマイとして語れるのだった。

    役は降りて来た。
    特に千秋楽の公演は、自分でも圧巻だった。
    台詞が分かった。
    私が書き、何百回と稽古したその台詞が、
    相手役のガンネに語りながら、腑に落ちたのだ。
    その台詞を語っていたのは、確かに勇者ゾマイだった。
    私は、そのゾマイを観ていたのかもしれなかった。

    ソロは、想いのたけを込めての絶唱だった。
    歌う私には観客の姿が全く見えない。
    ライトを浴びながら、ゾマイは闇に向かって愛の歌を歌った。
    しかし、その闇の中に、その観客の真ん中に、やっぱり母は居てくれた。
    この劇を一番楽しみにしてくれた母だった。
    冥府から繋がる闇の中の母は、涙を流して私の歌を聴いていた。
    そこに存在する母を、私は確かに感じた。
    舞台とは、死者と出会う場なのだ。

    私は、キビタシの森は実在していると想っている。
    私は、そのキビタシの神の導きでこの物語を託された。
    私は、ガンネもゾマイも1300年以上前に森の民として実在していたと信じている。
    私が、書き、私が演じたのは、実在の物語なのだ。

    大事なことは、ガンネとゾマイとをこの時代に蘇らせることなのだ。
    愛と誇りに満ちた森の民の生き方を、
    物語としてこれからは語り継いでいかねばならないのである。
    何のために。
    それは、この美しい地球と自然とが、
    子や孫やその先ずっと受け継がれてはならないためである。

    世界で唯一の被爆国である日本が、
    放射能を撒き散らし、
    行くあても処理するあても無い放射性物質である膨大な核のゴミを所有している。
    この矛盾を政治は、経済効果と夢のエネルギーというまやかしで隠し通して来た。

    朝廷の支配を潔しとせず、故郷に生きる民と森とを誇りをもって守ったガンネとゾマイ。
    二人は、確かに最後に語っているのだ。
    それは、死を賭した決戦を目の前にして。

    「戦は戦を呼び、強き者も、いずれは滅ぼされる敗者なのだ。
     人々はいつか必ず気づくはずじゃ。森の民としての我らの生き方こそ、
     真実の人の生きる道であることを。」
    「いつか後の世で、あの壺を手にした人々が、この物語を読み解いた時。」
    「キビタシの森の神が予言したような、本当に美しく、
     幸いな国が造られるはずじゃ。」
    「それでは、その国ができることを楽しみに。キビタシの森で。」
    「キビタシの森で。」

    ガンネとゾマイが蘇ったのは、この森の民の物語が人々に読み解かれるためだったのだ。

    今、物語は復活した。
    人々は、この物語から何に気づき、何を学ぶだろうか。

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