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  • from: クマさんさん

    2012年12月02日 18時36分22秒

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    「春のホタル」を想う Ⅱ

    先週の今頃は、舞台がすっかり取り払われ、楽屋もすっかりきれいになり、
    私たちは二次会の会場に歩いて向かっているところだった。
    「終わった。」その充実感と喪失感とを引きずりながら、
    夜の豊栄の商店街のをどういうわけか、松尾芭蕉の話をしながら歩いていた。

    劇中のナンバーに、「ホントはね」がある。
    入院している良子先生を見舞いに来た子どもたちが、
    自分の本心や夢を語りかけるナンバーだ。
    この曲が実に実に泣けるのだ。
    私は次の出番なので大道具の階段に足をかけたままこの子どもたちの歌を聴いていた。
    「先生、元気になって。先生、辞めないで。」
    涙が流れて困ったものだ。

    子どもたちは、本当は大人に自分の心を聴いてもらいたのだ。
    聴いてもらうことで、分かってもらえた嬉しさを感じ、安心する。
    なかなか語れない本音だが、やっぱり聴いてもらって、分かって欲しい。
    人とは、そういうものではないだろうか。
    二人は二人で一人にはなれないけれど、
    分かるとは、まさに分かち合うことであるから、
    自分のことを認め、理解し、分かってくれる人がいることは、確かに生きる自信なのだ。

    良子先生は、とても優れた先生だった。
    それは、自分の弱さと儚さを知ることで、とても優しい人になっているからだ。
    本当はねと心の悩みや葛藤を話す子どもたち一人一人に、
    彼女は自分から歩み寄り、心でしっかりと受け止めて、語りかける。
    それは、その子のことを分かった人にしか語れないアドバイスであり、言葉だった。
    聴いてもらえた。受けとめてもらえた。一緒に悩んでもらえた。分かってもらえた。
    そこからしか、信頼感は生まれないのではないだろうか。

    彼女は、子どもの目線に立ち、子どもの想いや願いを分かろうと努力する。
    その姿勢も優れた先生の条件の一つである。

    それから、彼女は呼びかけはするが、命令はしない。
    語りかけて、考えてもらうが、自分の決定は押し付けない。
    選択するのは子どもたち自身なのである。
    市川さんの田んぼで稲を育てようと提案するが、子どもたちには反対される。
    「それでは、来れる人たちだけでも来てください。」
    それでいいのだと私は想った。
    彼女は寂しい気持ちをかかえながらも、子どもたちの選択を信頼している。
    子どもたちを信頼するから、子どもたちから信頼されるのである。

    彼女は、子どもたちを信じていた。
    その信頼感を持てることも、優れた先生の条件の一つである。

    勇太・忠志・知恵の三人に夢を語るシーンがある。
    子どもたちは、夢を持ちながらも、夢を諦め、どこかな置き去りにしていた。
    大人たちには、夢が無く、夢をもって生きている大人たちに出会っていないからだった。
    夢なんて持ったって、どうせ実現できないし。である。
    しかし、そんな子どもたちに彼女は自分の夢を語った。
    「自分が創った歌を、卒業式にみんなで歌いたい。」
    彼女は高校生の頃、シンガーソングライターを目指していた頃があった。
    しかし、いつしか現実の生活に追われて、その夢を忘れ、教師となったのである。

    しかし、癌になり手術で助かったが、再発の危険がなくなったわけではなかった。
    そして、父と母の故郷である小学校に赴任して、美しい自然と出会えた。
    彼女は、夢を忘れた子どもたちを前にして、自分の夢を思い出した。
    そして、子どもたちにその夢を語った。
    本気で自分の夢を語れる大人がいたら、その人はやっぱり素敵な大人ではないだろうか。
    子どもたちは本当は夢を持ちたいのだが、
    その夢を潰しているのは大人だったりするではないだろうか。

    だから、大人は夢をもって生きるべきなのだ。
    この現実を突き抜けて、彼方の星を指差して、自分を信じて歩き続ける勇気。
    教育とは、理想なのだ。教育とは、夢なのだ。
    そう信じて子どもたちの先頭に立って歩く彼女は、やっぱり素敵な先生に違いない。

    それから、人の命の儚さ。、命には終わりがあること。
    そして、人は死ぬことで決して死なない人になること。
    死としっかりと子どもたちを向き合わせることも、とてもとても大切な教育なのである。
    子どもたちが出会った良子先生は、きっと子どもたちの魂に転移し、再生され、生き続ける。
    子どもの魂に火をつける。それが教育の真髄ではないだろうか。

    彼女は、自分の死を通して、子どもたちに大切な宝物を残してくれた。
    それは、「自分らしく生きる」ということではないだろうか。
    「あなたはあなたのまま生きなさい。大丈夫。私がいつでもあなたのことを応援していますよ。」
    この愛のメッセージを子どもたちの魂に残すみとができた彼女こそ、
    やっぱり私たちが求めている人生の先生なのである。

    「私は、生きた。愛した。夢を追った。」
    そんな人生の最期を迎えられたら、それは人としての本望ではないだろうか。
    「命とは、誰かのために使うためにあるものだ。」
    少なくとも勇太・忠志・知恵の三人は、現実の壁に何度も挫折しながらも、
    良子先生の意志を受け継ぎ、夢をもって生きるのではないだろうか。

    松尾芭蕉は、旅を止めなかった。
    私たちは、やっぱり夢を追うことを忘れてはいけないのだ。
    それが、「生きる」ということではないだろうか。

    「生きるとは、夢を持つことさ」と、子どもたちに笑顔で語れる大人になりたいものだ。






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