今、３０分間かけて打ったものが全部消えた。
こんなものだ人生は。

さて、昨日長男が突然のせきでＳＯＳを出して来た。
妻は、さっそく長男を宿に迎えに行った。
「誕生祝いをしようと思います」とのメールに驚いた。
そうか、長男の誕生日が近かったなぁと、私はすっかりと忘れていたことに気づいた。
長男の誕生日を、銀行の暗証番号にしておきながらだ。

ある夜、これから飲み会に行って来ますと言ったら、
「今日はＮちゃんの誕生日だよ」と、妻から言われて驚いた。
そうか、そうだったのか・・・・。
私はやっぱり次男の誕生日もすっかり忘れていたのだった。
すまん・・・・。と想いつつも、飲み会には向かった。

二人の誕生日には、何年前までは、私がケーキ屋さんに予約注文して、
豪華絢爛　誕生日ケーキを買って来たものだった。
父も母も一緒に、誕生日を祝ったものだった。
しかし、それは既に今は昔の物語となってしまった。

あの母の入院以来、私はあれだけ続けていた10年日記をぱったりと書いていなかった。
あの激動の日々は、記録されていないのだった。
しかし、もしも私の記憶が全部この日記のように、
そして、さっきまで打っていたこのメッセージのように、
消去され、リセットされたら、どうなってしまうのだろうか。

誕生日どころではなく、
長男と次男とを見ても、「あなたは、どなた様だね？」となってしまうだろう。
自分がどこの誰で、どんな仕事をして、
どんな人生を生きて来たかも分からなくなってしまうのだ。

悲しいことに、物忘れが激しく、仕事の周りが遅く、立ち往生することがよくある。
大切な約束を忘れたり、仕事での失敗も増えている。
なかなかリカバリーができず、そんな自分が悲しくなることも多いのだ。

先日は、酔っ払って自転車で大転倒してしまった。
私は、３０年前の１２段変速のドロップハンドルに乗っている。
歩道の縁石に乗り上げたのか、前のめりに転倒し、
膝の皿を強打し、左ひじに裂傷を負った。

昨日から、左手の親指が根元から痺れている。
明らかに血が通っていない状況だった。
一週間以上の胃腸炎のために医者に行ったら、高血圧の薬を出された。

ああ年をとるとは・・・。
こんなレポートは、いくらでも書ける年となっている。
「あと１５年すると、70歳なんだね」と、同じ年の仲間と言い合って、固まってしまった。

しかし、やっぱり「これでいいのだ」でもあった。
そんな自分を見つめつつも、そんな自分を優しく見守り、
やっぱり「居ても居なくてもいい親父で生きよう」と、
想う今日この頃でもありました。