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  • from: クマさんさん

    2012年12月28日 07時09分47秒

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    大晦日の家族写真

    ああそうか。今年の大晦日も、お正月も、父も母も居ないのか。
    ふと、そんなことが頭に浮かんだ。
    実は、パソコンのデスクトップには、昨年の大晦日の家族写真が貼り付けてあるのだ。
    着物を着た父と、痩せてしまった母とが寄り添って座っている。
    その後ろに私と、長男と次男と妻とが立っている。
    みんな笑顔だが、たった一年でこんなにも人生変わるものなのだ。

    母の余命を告げられたのは、2月のことだった。
    あと三カ月、もっても半年。
    それは母の肝臓の癌の再発による予見される事実だった。
    抗癌剤による苦しむような治療はしない。
    私と妹と家族のの他には、この事実は誰にも知らせない。
    残されているであろう時間を母と共に意味ある時間として家族で過ごす。
    私は力なく、涙が流れた。
    こんな苛酷なことが私の人生にも起きてしまったのだ。

    すべてのものは消えて行く方向に向かっているのか。
    死ぬこととは、終わることなのだろうか。
    それではいったい終わった後はどうなるのであろうか。
    元々終わりとは存在するものなのだろうか。
    母は、本当に居なくなれるのだろうか。

    私はそんな時に一冊の本と出会った。
    「魂に触れる」 若松英輔著 この本の言葉が言葉として一字一句身に沁みた。
    死者としての存在感。
    人は、死んでも死なない人となる。それを死者と人は呼ぶ。
    魂として傍らに居る。
    悲しみとは、死者が傍にいることを感ずることである。

    居なくはならない。ただ、姿が見えなくなる存在となるだけだ。

    母の余命の宣告を機に、私は私の中の何かに気づくための旅に出た。
    それは、母が自分の死を通して私に伝えたいものだったと、今でも想っている。
    この本との出会いも、池田晶子氏との出会いも、
    それは母が私のために為してくれたものだった。

    昨日も雪の中、お地蔵様にお参りに行った。
    あの介護の日々は、朝と夕方にお地蔵様にお参りに行ったものだった。
    お地蔵様の穏やかな顔を拝むとほっとした。
    私が独りであくせく悩み悲しむことより、
    すべてを任せきった方が安心なのだと、その時想っていた。
    私のことすら、お地蔵様に任せ切った。
    そして、「今日一日だけ生かして下さい。」と祈れるようになった。

    そんな私に、死者となった母は想い為してくれた。
    それは、母の死が無かったら、絶対に至ることのできなかった場所でもあった。
    母の死は、私を変えた。
    いや、私は私だったのだが、その本来の私に母は気づかせ、立ち戻らせてくれた。
    池田さんが言う「大きな方の自分」へである。

    昨日、妻とおせちの話になった。
    ブリの刺身は、川口魚屋さんに頼むことにした。
    のっぺが食べたかったので、作ってくれと妻に頼んだ。
    妻は実家の母から伝授してもらうと言っていた。

    しかし、母の味はもう食べられないのだなぁと、ちょと寂しくなった。
    この写真の頃は、こんな大晦日はこれからも我が家に続くのだと想っていた。
    後何年だろうかとは想っていたが、
    まさかこの写真が最後になろうとは・・・・。

    門松や 冥土の旅への 一里塚  一休禅師



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