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  • from: クマドンさん

    2014年09月29日 06時00分11秒

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    ソー族について

    またLSDを再開した。
    危ないドラッグの話ではなく、長い道のりをゆっくりと走るトレーニングだ。
    関屋分水のタコ公園を目指して走り出した。
    このコースは、ずっと松林の砂丘の小道をアップダウンして走るコースだ。
    いつも日陰なので暑さを感じない。
    季節の山野草や、野鳥のさえずりが私の走りを応援してくれる。

    8月の暑さの中で、この弱った足を励ましながら、このコースを走ったことがある。
    本当に5分と走りは続かなかった。
    辛くなっては、すぐに歩いた。
    「いいよ、いいよ、大丈夫、大丈夫」そういつも言い聞かせながら、
    しかし、内心は動揺し、寂しさを感じた。

    それが、今では一気に最後までLSDで走り切る。
    これがトレーニングの効果というものだった。
    途中、どれだけのランナーに会ったことだろう。
    それぞれがそれぞれのランニング姿で、この新潟島の周回コースを走っている。
    若い男性ランナーが、疾走しながら追い越して行く。
    かわいい女性ランナーのグループとも出会った。
    この仲間に入れてもらったら、きっと私のスピードも変わると思った。

    この時期にこうしてランナーが一気に増えるのには、わけがあった。
    私もその一人なのだが、「新潟シティマラソン」が近づいて来たからだ。
    特にこの新潟島の周回コースは、みんなが走るコースとして設定されている。
    私は、10キロのエントリーだ。
    そこで、こから関屋分水に向かい、陸上競技場まで走ることにした。

    やすらぎ堤のコースにも、たくさんのランナーだった。
    しかし、私は6キロを走った辺りから、ふくらはぎが痛み出し、
    太ももの裏の筋肉にも痛みを感ずるようになってしまった。
    つまり、これは何度もやった肉離れの前兆だった。
    「やばいなぁ」と、こんな時はすぐに歩きに切り替える。
    「無理はしない」それが、57歳の鉄則だった。

    「ソー族」
    ただ獲物を求めて只管に走る種族。
    短パンとランニングシャツ。足には個性的な色のシューズを履いている。
    瞑想する人々のように黙々とまっすぐに走る。
    手には長距離の狩りに耐えるように、ペットボトルを持っていることもある。
    この季節になると新潟島の周回コースに出没する。
    それが、「ソー族」だ。

    ふと、トイレから初老の長身の老人が現れた。
    「ソー族」の族長のような威厳と風格のある白髪の男性だ。
    彼が、私の前を本当に本当にゆっくりと走り?始めた。
    傷ついたソー族である私は、30メートルほど前の彼を目指してゆっくりと走った。
    時間とともに、彼の背中がだんだん大きくなってきた。
    私は、彼のペースで彼の真後ろを走っていた。

    ソー族には、年長者よりも少しでも速く走るという掟があった。
    私は、遠慮しつつ、心では少しの喜びを感じながら、
    彼をゆっくりと右から抜いた。
    私は、少し上げたペースを、足を引きずりながら保っていた。
    族長を抜いたとたんに歩いては、掟違反もはなはだしいからだ。

    平成大橋を目指し、そこをくぐったら、BSNを目指して走っていた。
    相当族長とは離れたはずだと思い、やっぱり無理せずに歩くことにした。
    秋の風が心地よかった。
    そんな秋の川辺の景色に見とれていたら、
    その視界にわっくりと威厳をもって走る族長の姿があった。
    その走りは、私が出会った時から変わっていなかった。
    「やっぱり、カメが勝つんだ。」

    私は、だんだん小さくなっていく族長の後ろ姿に敬意をはらい会釈した。

    さてさて、これから「ソー族」に変身する。
    あの族長の緩やかな走りと、生き方とは、
    57歳の私にとっては、とても偉大なる目標となった。

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