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  • from: クマドンさん

    2014年11月24日 05時51分03秒

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    終わりについて考えている

    さて、いろいろなことを考えている。
    というよりか、考えさせられていると言った方が正しい表現だ。
    人は、その状況に立たされて初めて考えるものだからだ。
    父が、まだ施設で自立して生活していた時、
    私は申し訳ないが父のことを忘れていることの多い日々だった。
    父のお世話は、施設の介助の人たちに任せておいて安心だったからだ。
    しかし、緊急入院から、父のことばかりが心にある。

    たった今、母の過去帳をのせた棚の扉が「パタン」とひとりで開いた。
    父に何かあったのだろうかと、心配になってしまう。

    父は、自分でおしっこをしたいために、ベッドに起き上がり、
    ベッドに腰掛けて、簡易トイレに行こうとする。
    管をつけているので、おしっこは自然に出ているはずなのだが、
    気になって、気になって仕方ないようだ。
    そのたびに、看護士さんは呼ばれ、なだめても言うことをきかないために、
    仕事にはならなかった。

    とうとう父は、車いすに乗せられ、シートベルトをつけられて、
    看護士さんと一緒に、各病室を移動することとなった。
    そうでもしないと危なくて、目を離せないからだ。
    父は、意識はあるが、話をしなくなってしまった。
    ただ駄々っ子のように、「うんうん」と唸って、文句を言うだけだ。

    ベッドの傍に居て、本でも読んでいようかと思っていたが、
    3分とじっとしていなかった。
    すぐに上体を起こし、動こうとする。
    そのたびに声をかけ、背中をさすり、言い聞かせて、横にする。
    しかし、また暫くすると動き出す。
    「分かった。分かったよ」と、言いながらも、
    だんだん私も堪え性がなくなって来る。
    ここで感情を高ぶらせてしまっては負けである。

    やっぱりそんな時は、看護士さんにお願いして父からそっと離れることにした。
    点滴の針のせいか、父の痩せ細った左手の甲には紫の内出血が痛々しい。
    肺炎を併発しているために、肺へ常に酸素を送らなければならない。
    その管が、父が動くたびに、鼻から外れる。
    いつの間にか父は、何本も透明なチューブに繋がれていた。
    車いすに移動するとき、そのチューブがからむのだ。

    父は、今、父の残されて時間を過ごしている。
    それは、後僅かであるかも知れない。
    父は、顔つきまで少し変わったような気がする。
    おっかない顔になっている。

    父には、心の中で言葉を伝えている。
    背中を摩りながら、気持ちを伝えているつもりだ。
    よく、よく、ここまで生きていてくれたなぁと、想った。
    私は、父親のいない寂しさをおかげさまで味わってはいない。
    放蕩親父で、母との夫婦喧嘩は絶えることはなかったが、
    父は、母より長く、ここまで生きてくれた。

    父は、何を想っているだろうかと、父の顔を見ながらふと想った。
    母は、父のところに来ているのかなぁと、そんなことも想ったりもする。
    父の細くなった腕は、皮膚が何だか干からびているようだった。
    枯れていくなぁ。枯れたんだなぁ。
    それは、初冬を迎え、葉をすっかり落とした樹木のようだった。
    自然のまま、父は、枯れていく。

    父は、その立場にたって、やっと枯れる自分のことを考えているのかもしれない。
    私は、枯れていく親の姿を見ながら、
    人が当たり前に行くべき道を、目の当たりにしながら、
    終わりについて考えている。

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