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  • from: クマさんさん

    2015年01月27日 13時57分53秒

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    孤独を癒す薬はあるのか

    年老いた人の孤独をどうしたら癒されるのだろうか。
    父は独りで施設のベットだった。
    その施設の介助の人たちは、それはそれは親切で温かな人たちばかりだった。
    認知症が進むに従って、わがままが強くなる。
    堪え症がなくなるというのか、少しのことも我慢しなくなる。

    トイレに行きたくてボタンを押してもすぐには来られない。
    当たり前の話なのに、遅いと怒鳴ってはイライラとした態度でいる。
    それでも担当の若い女性は笑顔での応対だった。
    時にはリビングでみんなと一緒にテレビを観ていることもある。
    父は、ただ黙ってテレビを観ている。
    話しかけられてもただ肯くばかりだ。

    父は、何を想ってそこで暮らしていたのだろうか。
    私が行くと、ペットで寝たままただ肯き、話すことも無く、黙ってテレビを観ているだけだった。
    あれがどうしたとか、こんなことがぁったとか、そんな話は一切しなかった。
    私が話しかけると肯き、私が黙っていると、黙るだけだ。
    だから、施設に入っていた2年間、
    父がどんな気持ちでそこに居たのかは分からないままだ。

    年に何回か、親戚の叔母や、父の高齢の姉が訪ねることもあった。
    それでも父は、いろいろと語ることもなかった。
    ただ、最後には「ありがとう」と言って、右手を挙げた。
    左手が脳梗塞で麻痺をしているために、右手で合図をするのだった。
    私はいつも帰りには、父のその痩せたごつごつの手を握り、
    「また来るね」と言って、帰って来た。

    父は、孤独だったと想う。
    寂しかったと想う。
    そして、その孤独の中でただ生きざるを得ないから生きていたのだとも想う。
    しかし、家族と一緒だったとしても、84歳で身体も不自由になっている父は、
    やっぱり孤独を感じたのだとも想っている。

    その老いたる者の孤独と寂しさとを、癒す薬があるのだろうか。
    きっとその薬が無いから、神様は父に認知症を与えてくださったのかもである。
    父は、自分が誰で、どんな状況で、私が誰かも知らないまま、
    日々を淡々と生きていたのだった。

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