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  • from: クマドンさん

    2015年10月11日 17時38分42秒

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    走ることは、人生だ

    アルビが負けた。
    アウェーでの戦いでも絶対有利な条件だったのに、
    遠藤のフリーキック一本でしぼんでしまった。
    浦和へ決勝戦に出かける私の夢も終わってしまった。

    新潟マラソンだった。
    朝、雨のために嫌な予感がしたが、自転車で競技場に向かった。
    前日の古町どんどんと伊勢丹のイタリア展の酔いは残っていなかったが、
    体重81キロの巨体では、ただ体を痛めつけに行くようなものだった。

    Cさんと、Yさんはハーフで走る。
    私はその半分の距離なのだからと自分に言い聞かせても、
    その距離に対する脅威は変わらない。
    左膝を痛めてから久しい。
    正座もできない状態だ。
    それでも、だましだまし走る。

    私は、スタートと同時に私を少し引っ張って行けるペースメーカーを探す。
    こうして膝に爆弾を抱えている時は尚更のことだった。
    走り出しは、欲もなく、けっして速く走らず、体に聴きながらである。
    ペースメーカーの彼女との距離は1メートルもない。
    私は、ただ彼女のピンクのシューズの動きだけをじっと見つめて走る。

    引っ張られていることが分かる。
    しかし、ここで落とすとずるずると落ち行くことが分かっている。
    だから、壊れないで、息が上がらないで、ぎりぎりのハイペースを目指す。
    本当に長距離はメンタルな孤独なる戦いだ。
    私の今の生き方は、この走りのままのような気がした。

    自分だけの力では、生き抜けない、切り抜けられない。
    だから、引っ張ってもらい、励ましてもらう。
    時にはスピードを緩めてしまいたい時もあるが、
    あの橋までは頑張ってみようと自分に言い聞かせる。
    誰もほめてくれるわけでもなく、知っている誰が応援してくれるわけではない。
    それでも、自分が決めて走り出したことだから、
    この膝が爆発するまでは、この流れに乗って走り続けよう。

    そうやって、いつもいつもロングを走って来たものだ。
    独りなら、これはできないなぁ。
    平成大橋に差し掛かる頃には、
    私が抜く人の方が多くなってきた。
    前を走っていた人たちが、だんだん落ちてくるのだった。
    これも人生かなぁ。

    大橋の坂を下った時は52分くらいだったかも。
    私のスパートはラスト2キロだ。
    そう決めた。そう決めたら、そう走る。
    折り返してやすらぎ提沿いの道をひたすら走った。
    行けるのなら、行けるだけ、どんどん抜き去って行こう。
    声を出し、自分に気合を入れながら、乳酸がたまり切った足を励ましながら、
    どこまでやれるか、自分へのトライだった。

    BSNを過ぎた。
    競技場が近づいた。しかし、無情にも時計は、58分をさしている。
    「無理だなぁ。でも、一秒でも速く・・・・。」
    心臓が高鳴り、突然顔が上気して熱く熱くなってしまった。
    倒れてもいい。競技場は見え、集団が右に回ると、トラックはすぐ目の前だった。

    60分はとっくに過ぎていた。
    昨年は、このフィニッシュまでの激走中に60分になってしまった。
    今年は、1時間4分だった。
    終わった。走りきれた。まだやれた。すがすがしい達成感だった。

    私は、改めて自分自身に減量を誓った。
    この身体でよく走るものだと、何だかこの巨体が愛おしくもなった。
    がんばる自分のことを一番よく分かっているのは、自分だ。

    人生、やっぱりトライは必要だ。
    そして、そんなたとえちっぽけであろうとも自分のトライに対しては、
    「ブラボー」と自分をほめよう。
    それが走り抜く、生き抜くコツなのかもしれないと、
    帰りの自転車に乗りながらそう思った。

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