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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2015年11月08日 06時50分40秒

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    全ての道は飯豊に続く

    金曜日の夜のことだ。
    仕事終わりで急いで自宅まで直行した。
    それから、自転車にまたがりユナイテッドまで突っ走った。
    生まれて初めての3D体験をするためだった。
    映画「エベレスト」
    ここで眼鏡をかてくださいという画面が出た。
    わっすごい、すぐそこに人が立っていた。
    5千mの実際の山岳で撮影された映像は、何とも迫力のある、リアルなものだった。
    エベレストに登った登山者たちの遭難事件を題材にしていた。
    映画は、ドラマとしては・・・・・。
    ただ、高所での大自然の驚異を体験するには、お勧めの映画だった。

    帰りは8時半を過ぎていた。
    自宅までは30分以上かかる道程だ。
    やけに向かい風が強く、ガンガンにこがないと、止まってしまうようだった。
    「何でこんなに風が強いんだ」
    車道を追い越される車に冷や冷やとしながら走っていた。
    そして、ふと想った。
    「58歳の私が、これをやるか」と。

    往復14キロはあるだろうか。
    好きな映画のためには何のその。
    千円で映画を観られるユナイテッドは、私にとってのメッカだった。
    金曜日の朝刊で、この映画の上映を発見した。
    そうしたら、やっぱり居てもたってもいられなくなり、
    突っ走ってしまう。

    いつまでこんな無茶な行動を続けられるのだろうか。
    60歳になる日のことを、自転車で向かい風に押されながら想っていた。
    左膝は痛みのせいで、まっすぐに伸ばせなくなっている。
    それでも豊栄の職場まで往復22キロの自転車の旅だ。

    昨日の朝、5キロのジョギングをしていたら、
    ひょうな場所で同級生のAと出会った。
    引っ越しの最中の彼を見て驚いた。
    「おおーっ、立派な初老の男になったもんだなぁ」と。
    髪の毛といい、肌の荒れ方といい、目じりのたれ方といい、
    ああ、そうなんだ。そういう年なんだと、
    彼を見て我が身を見る思いがした。

    「エベレスト」の登場人物たちもそうだった。
    独りは40代だろうか、
    過去に何度か挑戦して失敗したために、諦められずに、
    アルバイトを重ね、やっと参加できた男だった。
    山頂直下で体調を崩したが、
    ここで戻ったら再びここへ来ることはできないと想い、
    下山時刻をとっくに過ぎたのに、リーダーに支えられて登頂した。
    しかし、この判断の誤りで、二人は遭難し、命を失う。

    もう一人の50代の会社経営者は、家族に内緒での参加だった。
    彼も、過去に登頂を断念した経験をもっていた。
    参加費用は800万円。一か月間の頂上を目指しての旅だった。
    彼は登頂の日、ベースキャンプを過ぎた辺りから、酸素不足のせいか、
    視力が低下して、ぼやけて見えない状況となった。
    独り残されたまま大嵐に巻き込まれた。
    消息不明のまま死んだと思われていた彼が、
    嵐が去った晴天の中、よろよろとアタックキャンプまでたどり着いた。
    彼は凍傷のために、鼻と手足の指を失ったが、命には取り留めた。

    さて、この年になって日々生きて、生活するということは、
    ある意味、エベレストへの登頂と同じではないかと思っている。
    リミットはある。
    そのリミットを感じている。
    でも、そこから先、その一歩を無理して踏み込むかどうかだ。
    そのリミットを感じたなら、素直に受け入れ、引き返すか止まることだ。

    酸素が薄くなる高所では、体の細胞がどんどん死に至っていくと言う。
    老いるということも、それと同じことではないだろうか。
    リミットを知る。リミットに聴く。リミットに学ぶ。
    それが出来た者だけは、エベレストから生還できる者だった。

    登山は、そうした自分自身と向き合い、そのリミットを学ぶよき機会だった。
    だから、リミットを感じた者は、トレーニングをするのだった。
    朝は、晴れたら5キロを走ろう。
    週に2回は自転車で22キロを走ろう。
    ユナイテッドには自転車で行こう。

    それは、私の場合はエベレストではなく、飯豊連峰に登るためだった。
    さて、この自分の老いと衰えとを感じつつも、
    好き残るためのトレーニングは、これからも続けようと思っている。

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    waka

コメント: 全1件

from: wakaさん

2015年12月12日 17時17分02秒

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中ごくの原野もいいですよ!

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