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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2016/01/16 10:19:39

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    雪は、誰もがみんなの家に平等に降り積もっていたよ

    昨日の午前中は、久しぶりのお日様だった。
    復帰を目指しての体力づくりのために、山ノ下タワーまで歩いた。
    歩こうと想ったら歩けるものだった。
    いつもはジョグの6キロコースの臨港の道だった。
    このタワーの前の空き地は、
    私が幼い頃預けられていた叔母の家があった所だ。
    今は、野草に覆われ、何とも無常を感ずる場所となっている。

    タワーの展望台から、白く覆われた街並みを観た。
    美しいものだった。雪は、家々の物語を白く、純なものに変えてしまっていた。
    静かに、白い雪の下で人々の生活がたたずんでいた。
    景色が変わると、見る者の感じ方も変わるようだ。

    ふと椅子に座っている私と同じ年位の男性が気になった。
    平日の午前、ここで港や朱鷺メッセを見ながらたたずんでいる彼だった。
    髪はそんなに丁寧にとかされていず、無精ひげのあとがある。
    アノラックと長靴だった。
    この人にも、この人なりの孤独な物語があるんだろう。
    独りぼっちな私は、ふっとその人の存在に救われたような気がした。

    帰りに山ノ下図書館に行ったら、休館日だった。
    毎週金曜日がお休みだと初めて知った。
    お昼まで時間が少しあったので、久しぶりに床屋に行った。
    もう20年近く通っただろうか、馴染みの床屋Yさんだった。

    奥さんが私を見て驚いた顔をしていた。
    さすがに10キロも痩せると、見かけも変わっているのだろう。
    平日の昼に訪ねてきたことにも驚いていた。
    だから、実はとこれまでの事情を髪をカットされながら長々と話すことになった。
    奥さんは、この話を聞けば聞くほど、こんな話もあるんだと、また驚いていた。
    2度の手術、2度の失敗。
    何とも運の悪い男だった。
    しかし、本当はそれだけ業と罪とが深かったせいなのだったが・・・・。

    「これだよ。」
    終わってからお金を払う時、お腹のでかいふくらみを見せた。
    「へー」と今度はそのふくらみを触りながらの絶句だった。
    冴えない白髪の中年男の哀れなる闘病記だ。
    あのタワーの男性に感じた悲哀を、きっと私も醸し出していることだろう。
    「ありがとう」と言って寒さの風の外に出たら、また曇天から小雪が降っていた。

    独りの時間が、ゆっくりとゆっくりと過ぎていく。
    最近、その過ぎ去る時間を惜しんで焦ることもなくなった。
    ある意味、これでいいんだと想うことで、時間に対する欲もなくなった。
    時間は、大河の流れのようなものだ。
    それを留めることも、遡ることもできないからだ。
    ならば、その流れを慈しみながら、じっとじっと眺め、
    その流れを感ずれば、それだけでいいんだ。
    「たそがれる」とは、そういう力が抜けた、
    どこにもひっかからない生き方なのではないだろうか。

    孤独なのは、私だけではない。
    みんな生きている人たちは、どうしても孤独には違いない。
    病院のベッドの叔母も、自宅でお茶を飲むT叔母も、それは同じことだった。
    では、この大河なる無常な時間の流れの中で、孤独なる私はどう生きるか。
    孤独なんだ。孤独でいいんだ。みんな孤独なんだ。
    どうもこの深い深い認識から、始めて行かないと、
    何だか孤独が寂しさに、辛さに、変わってしまうような気がしている。

    この全ての家々の屋根に積もり、白く変えた雪というものが、
    ああ、仏様の慈悲ではないかと、私には思えるようになってきた。
    叔母の病院にも、T叔母の家にも、あの中年男性のアパートにも、
    Y床屋さんにも、私の家にも、そんな孤独なる魂には、
    いつもいつも平等に真っ白い雪は降り積もる。

    だったら、独りでも生きられる。
    そうは思わないだろうか。

    PS.映画「さよなら渓谷」傷ついた魂の彷徨と復讐。罪を犯してしまった者の贖罪と    愛。何とも言えぬ深い深い名画だ。真木よう子が素敵だった。彼女たちを追う週刊誌のライターもよかった。愛を求めて震えている孤独な魂のロードムービーだ。

     突然、その映画に映った場所が、沼垂のあのシヤッターで閉ざされた市場だった。背景の無機質な灰色の煙突と赤と白の煙突にも見覚えがあった。まさか・・・・・。ところが、エンドロールでその訳が分かった。新潟・三条・燕・村上のフィルム・コミッションが協力し、何とあのお世話になった沼垂の名店である割烹「大佐渡たむら」の名前も出ていたのだ。

     つまり、真木よう子と男とがここで撮影したということだった。何で沼垂の人たちは、そのことを情報発信してくれなかったのたか。会いたかったなぁ。真木よう子に。

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