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  • from: クマドンさん

    2016年02月18日 05時33分40秒

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    叔母の熱

    昨日、叔母が熱を出した。
    夕方は37度4分だった。
    叔母はぼんやりと天井を見つめて黙ったままだった。
    ショートスティの施設に戻りたくないと言っていたそうだ。
    今日、施設から迎えに来る。
    そのことが嫌なので、熱を出したような気がした。

    それならば在宅で介護はやれないのかと思うが、
    やっぱり80代の叔母たちの介護には限界がある。
    独身で家族の居ない叔母には、姉妹だけが頼りだった。
    その姉妹に辛い面倒はかけたくないというのも、叔母の気持ちだ。

    「こんなに熱があったら、当分はショートスティには戻れないよ。」
    私は、叔母をこのままここで介護してもらいたいと願っている。
    T叔母は、そんな状況に困った顔で黙っていた。
    彼女は、おしめを替えるのに動けない叔母の腰を起こすのに難儀して、
    やっぱり自分の腰を痛めていた。

    「こんげらったら、はよ死にては。」
    「頭が、ばかにならねろっかね。」
    叔母は、すっかり生きる希望も、気力も失ってしまった。
    天井を見つめる眼差しに力がなく、弱っていることが感じられた。
    何かがふーっと吹っ切れてしまい、飛んで行ったようだった。

    人の一生って何なのだろう。
    生まれて、老いて、衰え、病になり、死を迎える。
    それはとても自然のあるがままの姿。
    生きるとは、そうした死に向かった老いと衰えとを受け入れること。
    それでは、いったい人は、何のためにこの世に生を受けたのだろう。

    私は、たいしたことのない人生。
    多くの罪もおかしたものだ。
    どれだけの挫折や失敗もあったことか。
    悲しみと苦しみともたくさんたくさん経験した。
    しかし、それらは全てただ私の記憶の中だけにある。
    思い出せないものは、とうにここには存在しない。
    そんな波乱万丈だが、いつかすっかり忘れてしまうものが人生そのもの。

    そんだけ。ただそんだけだけど、そんだけで生きる。
    叔母も、そんだけの人生を独りで耐えて生きて来た。
    そこに、それだからこそ、意味があるのではと、今は思っている。

    どんなことがあっても生き抜いていく。
    そうしないと絶対に分からないものがこの人生なのかもしれない。

    叔母の熱は下がっただろうか。

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