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  • from: クマドンさん

    2016年03月11日 05時38分26秒

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    5年目の朝

    ラジオ深夜便「明日への言葉」を聴いた。
    東日本大震災から5年目の朝。

    震災以前と震災後とで、私の中で何かが変わったはずだ。
    この大震災の悲惨な姿をテレビで観ながら、私の涙は止まらなくなった。
    その二日後にりゅとぴあの舞台で、私は良念という坊主を演ずることになっていた。
    その役とは、大洪水に見舞われそうな沼垂を救うために、
    暴れ狂う阿賀野川の流れを変えるべき、
    ラストに命懸けで水門を開けに嵐の中に飛び出していく役柄だった。

    まさか、だった。
    この大津波の二日後に、その役を私がやることになろうとは。
    私は、泣きながらテレビをつけたまま、制作に電話した。
    「やめよう。できない。上演を中止しよう。」
    しかし、制作は、「やる。」とのことだった。
    やり切る。
    これもきっと何かの天からの声ではないか。
    余震がまだ続くりゅうとぴあの劇場で、
    それでも駆けつけてくださったお客さんを前に、
    私たちは、本当に想いをもって、心を一つにこの舞台をやりきった。

    こんなことが人生にはあるんだなぁと、
    とにかくこの想いが東北の人たちに届くことを祈っての舞台だった。

    あれから、私にとっても5年の月日が去って行った。

    今でも花道を叫びながら駆け抜け、奈落に落ちたあの瞬間を思い出す。
    舞台で死ぬとはこういうことかと、その時想った。

    それから私は、ちゃんと生きて来ただろうか。
    この5年間の私の生き方とは、どうだったのだろうかと想うと、
    何とも言えない自分と出会う。
    「おい、クマさん。」
    そう呼ばれても、「はいっ」とは大きな声で返事できない私。
    どうしてこうなのかと、今更ながらに情けなくも、哀れに想う。

    喪失感とでもいうのだろうか。
    確かに想像の世界ではこの良念のようにして駆け抜けて来たが、
    現実のリアルな世界では、ちっぽけで、愚かで、どうにもならない私であった。
    そのどうにもならなさと出会うための5年間だったかもしれない。

    それでも、今日一日だった。
    そんな私であろうとも、今日一日は生きられる。
    だから、ただ「よき一日を」と祈るばかりだ。

    私にできることとは、いったい何だろう。

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