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  • from: クマドンさん

    2016年03月12日 08時59分08秒

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    憧れの人。

    桃井かおりさんが、語っていた。
    思わずテレビをじっと見つめてしまった。
    学生だった頃、私の憧れの人だった。
    秋吉久美子さんと、桃井かおりさん。
    ATGという映画会社の映画をずっとずっと追いかけていた頃だ。

    彼女は、ロサンゼルスで暮らし、64歳で幼馴染と結婚をした。
    老いてからの結婚って、いいもんだよっと、幸せそうな笑顔だった。
    桃井かおりのイメージがずっと強く、そこから抜け出せない自分。
    期待される生き方をしているうちに、自分のことを見失ってしまった。
    54歳でハリウッド映画に出演。
    そこから、ロスアンゼルスでの独り暮らしを始めた。

    振り返ってみたら、もっとやれたんじゃないかと想うこともある。
    けれど、今は、あっちでは無名だからこその自由がある。
    普通の日常の生活の確かさをしみじみと味わっている。
    昨年は、映画を監督して、ベルリン映画祭に出品をした。
    彼女は、林住期に入って、その時節を旨く生き抜き、すり抜けた人だと想った。

    いてもいいかなぁ。いゃじゃないなぁ。
    そんな人をパートナーとして得ることができた。

    たった今、日が差してきた。
    さっきまで静かに雪が舞っていたというのに・・・・・。
    さっきまでは、私は、何だか何か間違った生き方をずっとして来てしまったと、
    少し暗く、苦い気持ちでふらふらとしたというのに。
    でも、どう考えても、人生をやり直すことはできない。
    それに、やっぱり私なんだから、どうやったって同じような選択をするだろう。
    あの桃井かおりさんに憧れ、
    文芸地下のレトロな名画座をはしごしていた息子たちと同じ年頃に帰ったとしても、
    やっぱりどこか人づきあいが苦手で、孤独で、
    何か世の中に自分の居場所なんかないのではないかと、感じている私は私だ。

    どうであろうとも、そのような同じ道を歩き、ここまでたどり着くだろうと、
    彼女の話を聴いて、ふっと寂しくも改めて想ってしまった。
    彼女は、桃井かおりであり、
    私は、クマさんである。
    それは、そう生まれ育ったのだから、どうにもならないことのよう。
    それでは、他の誰々さんのようになれば、それでは幸せなのかと言うと、
    その誰々さんもまた、この50代になって振り返ったら、
    誰々さんなりの後悔と苦渋とはあるのだと想っている。

    ただ、そんな桃井さんにあったように、
    これからどんなきっかけで、どんな転機が来るかは、
    全く誰々さんであろうとも予想がつかないのだ。
    転機は、この天気のようにして、突然やって来ることもありだった。

    自分であることに悩み、そこから自然にフェードアウトしようとしていた彼女にも、
    今は、創られた彼女ではなく、本来のピュアな彼女のままで生きられるようになった。
    その日は、きっと腐らず、投げ出さず、不平不満をもたず、
    とぼとぼとでも独りで歩いていたら、きっと誰々さんにも訪れるだろう。

    自分のことが嫌いになった時、情けないくらい寂しくもなってしまう。
    何も特に褒めることもなく、優れたものもなく、
    ただここまで生きた来ただけの私であろうとも、
    ここにこうして独りつぶやき、お日様を浴びているクマさんを、
    ちょっとは愛おしく、健気に想ってやることも、ありなんだと想いたい。

    どうやってもこのクマさんなら、こうとしか生きられなかったよ。
    どうやっても誰々さんにはなれなかったし、それをクマさんは望んではいなかった。
    クマさんは、クマさんに従い、まっすぐに生きただけ。
    それしかできなかったのだから、仕方ないと赦してやろう。

    桃井さんには、64歳に春が来た。
    きっとクマさんにも、誰々さんにも、そんな人生の春が巡ってくるはず。
    それはあの桜の樹木のように、この寒さに耐えながらも、
    見えない内側で、静かに、確かに、刻々と、準備されているかもしれない。
    そう想いたいと、今は思う。

    女優として、女性としての憧れの人だった。
    そして、今は、生き方の達人としての憧れの人となった。
    大好きです。桃井かおり様。

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