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from: クマドンさん
2016/04/12 05:45:17
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人生のサバイバー
何だかこんなんだったら、長く生きることもないな。
ふと、そんなことを感じた。
心と心とが繋がらないのが人と人の事実なのだろう。
分かり合えるとは、本当に希なことなのかもしれないからだ。
私は、未だに自分のことすら分かっていない。
まだまだ往生際が悪く、とことん迷いに迷っている。
ハートネットTVでがんサバイバーのAさんのことを知った。
彼女は、バリバリのキャリアウーマンで、
22歳でその部署の営業成績トップとなった。
将来への夢は大きく、起業して独立し、30代には結婚して家庭をもつ。
その夢の実現を疑うことなく日々を邁進していたと思う。
ある日、子宮頸がんを宣告された。それもかなり末期のものだった。
子宮の全摘とは、もう子どもの授からない身体になることだった。
何故私が。どうして私なのか。何か私は悪いことをしたのか。
絶望の暗闇で呻きながら想うことは、ある意味運命に対する憎しみだった。
あの人は健康だ。あの人は結婚して子どもが授かっている。
あの人は、仕事で成功して地位を築いている。
あの人は平凡だけど、子育てに幸せだ。
自分がどん底に落とされた分だけ、人のことが羨ましく、妬ましくもなる。
抗ガン治療の効果があって、彼女は会社に復帰した。
しかし、体力的に辛く以前のようには働けない。
そんな彼女を同僚や上司は優しく気遣ってくれる。
しかし、以前と同じ仕事ができない自分を情けなく、もうしわけなくも感じた。
彼女はキャリアを積む夢を抱いた会社を退職した。
そして、生き抜くために次の職を探し、そこも病のために長続きをしなかった。
そんな中で気付いたことは、彼女が若くして子宮頸がんになり、
子宮を全摘したこの経験を語ることだった。
体験者としての講演を彼女は自らに仕事とかし、中高生や市民に語った。
きっと彼女は語りながら、自分の人生をたどり直し、生き直したのだと思う。
与えられた過酷な運命だし、どうして私なのかと答えはないが、
言葉で語るうちに、きっとある意味が理解されて来たのだと私は思った。
彼女のところにたくさんの手紙が届くようになった。
そこには、もっともっと悲惨で孤独で貧困で切なく苦しく死にたくなるような人生を、
そんな「今、ここ」を生きている人たちからのメッセージだった。
母親に捨てられ、病気の父と共に生き、明日のことも考えられない女子高生の手紙。
私たちは、見えなかったんだ。
きっと、彼女も私もこんなに苦しんでいるのは自分独りだと思い込んでいたのかもだ。
本当は、誰もがそうだった。
その誰もがそうだったことに、お互い誰もが気付かなかっただけなんだ。
自分だけなんだは、あり得ないことだった。
自分にあることは、人には絶対にあるからだ。
私がそうなら、きっと人もそうなんだよ。
家族の中に居ながら、独りなんだなぁと哀しさを感じても、
その哀しさとは、私だけの哀しさではなく、みんなが感じている哀しさなんだ。
彼女は、言葉で語ることで、彼女の自分を受け入れ、確認することができた。
そしたら、自分は独りではなかったことに、多くの手紙と言う言葉で気付かせられた。
そして、彼女はきっぱりと講演会を辞めた。
今は、自分を生きようと生きる場所である仕事を求めて会社を探した。
家庭についても諦めていなかった。
凛とした美しさの感じられる彼女には、きっと素敵なパートナーが現れるだろう。
その仕事とそのパートナーとに出会うための、これだったのかも知れない。
人生は、生きてみなければ分からない。
自分の人生でどんな物語が演じられるのかは、
生きている本人には知らされていないからだ。
彼女の辿った生きた方は、こうしてやっぱり私の魂に深く深く響くものだった。
彼女のこれからの幸せを祈ると共に、
私も私と言う自分を受け入れて、生きていかねばなぁと、感ずることができた。
人と居ると寂しくなる。
それは、まだまだ自分のことを愛していないからだ。
でも、私もこの人生のサバイバーの独りとして生きて行きたいものだと思った。-
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