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from: クマドンさん
2016/04/17 14:09:25
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幸せな生き方とは
「おばちゃんさ、不満ばっかりだと幸せになれないよ。」
「そうら、そうらろっかね。」
「今さ、こうしてここに居られるのは、T叔母ちゃんのおかげらよ。」
「・・・・。」
「T叔母ちゃんが、叔母ちゃんのこと面倒見てくれるから、
こうしてショートステイに居られるんだよ。」
「そうらろっかねぇ。」
「帰る家があるからここに来れるんだよ。もし、T叔母ちゃんが駄目だと言ったら、
特養に行かねばなんねんよ。」
「はよ、家に帰りてんさ。」
「そうらかもしんねろも、今のままらと独りでは暮らせねよ。」
「だすけ、手と足、動かすようにしてんさ。」
「あのさ、叔母ちゃん。まずさ、その動かなくなった手足のことを、
しょうがねぇなぁと、受け入れねばなんねて。」
「治らねんろかね・・・・。」
「叔母ちゃん、出来なくなったことばっかでくよくよしねで、
まだできること数えたらどうらん。」
「歩けたらねぇ・・・・。」
「あのさ、叔母ちゃんは身体のどっこもわーりねぇろ。家のばあちゃは、
肝臓に癌が転移してから、たった三カ月しか生きらんねかったんよ。」
「そうらったろっかね。」
「寝たきりのままの人や、今日、今死にそうな人もいっぺこといるんよ。」
「・・・・・。」
「俺だってまた、七月に腹を切って、あの痛みにずっと耐えねばなんねんよ。」
「また七月に手術すんだ?」
「この前は四日間不眠になってしもて、あんまし切ねかったっけ、夜中にこの窓から
飛び降りたらどんげに楽らろなぁと思ったてば。」
「そなんげことあったにんけ。」
「叔母ちゃんさ、そう想ったらこのベットに居られるのは、
幸せなことらと想わんねかね。」
「なにさ、幸せらねぇこって。家に帰りてて。」
「ねぇ、そうして不平不満ばっかしらと、面白くもなんにもねぇろれげ。」
「私は、クマさんにはそんげなこと言ったことねぇよ。」
「俺じゃなくてさ、そうやって不満に想ったまんま生きているすけ、
幸せになれねんがね。叔母ちゃん、ここにこうしていられるだけでも、
幸せと想わねと駄目らよ。」
「そうらろっかねぇ。」
「叔母ちゃんがここにこうして居られるのは、神様のおかげらよ。
神様が叔母ちゃんに、ここで少し生きることを考えなさいって、
そんな時間を与えてくださったんがね。」
「どうすればいいろっかね。」
「あれが嫌だ。これはしない。じゃなくてさ、もっと人の中に入って、
人と話すといいがね。それから、何でもありがいと思って、
いつもありがとうございますって言うことらてば。そうすれば、
叔母ちゃんも笑顔でいられるし、周りの人も明るくなるんだがね。」
「クマさんに言われてから、おらもそうするようにしてるて。」
「もうこんげな年らんだすけ、あんまし我がままやだだをこねていねで、
そろそろ達観して、ありがとね。おらこれで幸せらよと、
T叔母ちゃんたちに言ってやればいいさ。」
「そうらね、そうすっさ。」
車椅子に座ったままの叔母と私との会話だった。
「幸せは、人の気持ちが決める。」
そうだなぁと、私の手術と入院生活、叔母の施設での生活を想うとそう思う。
何でこんげになってしもたんろっかねぇ。は、嘆くだけで暗くなるばかり。
手と足が動けばねぇ、では、麻痺したままの内は苛立ちと憎しみすら湧いてくる。
どうしてこんげなところに居ねばねぇんろっかね、では、
叔母ちゃんのために努力し頑張っている叔母たちが可哀想だ。
もう死んでもいいんさ。では、毎日何を楽しみに生きて行けばよいか分からない。
しかし、そんな叔母に「いいけ」っと私は語りながら、
この言葉を一番語ってあげたいのは、他でもない私自身ではないかと感じた。
「今、ここ」を幸せに感ずる。
叔母と会話しながら、そんな生き方こそ幸せな生き方なんだとふと思った。-
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