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  • from: クマドンさん

    2016年05月23日 05時52分54秒

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    はからずも、神様の摂理とは

    はからずも、という牧師さんのお話しだった。
    それは、後にダビデ王が生誕するきっかけとなったルツ記からのお話しだった。
    苦難の人生の中で、夫と二人の息子を亡くしたナオミ。
    彼女はその次男の妻であるルツを連れて、
    彼女の故郷であるベツレヘムへ帰って来た。
    全てを失い、明日の生活もままならない日々。
    貧しさの中に耐えながらも、
    彼女は自分を襲った運命の過酷さを嘆いていた。

    ルツはそんな義母に従い、ベツレヘムまでやって来た。
    そして、献身的にこのナオミを助けて生きていた。
    ある日、貧しい人たちだけに許されている落穂ひろいにルツは出かけた。
    その畑は、後にルツの夫となるボアズの畑だった。
    それからルツはボアズと運命的な出会いをする。
    そして、預言の通り、イスラエルの王が誕生することとなる。

    はからずとも、それは神様の摂理だった。

    どうにもならない私がここに居る。
    振り返ってみたら、本当に苦難の道であったかもしれない。
    母は三年前に亡くなり、父は昨年亡くなった。
    私自身突然の病での大手術。
    そして、こうして再び手術をする日を待っている。

    どうして私なんだろう。
    そう私であることを嘆くこともあった。
    心の病で休職した時、もう二度と職場には復帰できないのではと心配した。
    ここには書かないが、大変な苦難も何度も私にはあった。
    それは、ナオミのような人生であったかも知れない。

    しかし、昨夜NHK特集で「人生の終い方」を観た。
    死を宣告され、弱って行く父親が、家族に手紙を書いた。
    謹厳実直。真面目に、誠実にただ生きた人だった。
    もうすぐ自分の命が尽きることを悟って、
    初めて書く家族への手紙。
    言葉を遺す。
    死に迎い、人生を振り返った時、私はどんな思いでいるだろう。
    後悔だけはしたくないと、ふと想った。

    38歳、若い若い父親だった。
    看護師の妻と、小学生の長男とこの四月に小学校に入学する長女。
    父は、病院ではなく自宅で人生の終いを迎えようとしていた。
    鼻に管をつけ、酸素吸入をしている。
    痛みで苦しんでいても、痛み止めは末期の癌には効かないらしい。
    それでも、毅然として、しゃんとして、子どもたちのために生きている。

    どれだけの涙があったことだろう。
    何故なんだ。どうして私だったのだ。
    きっときっと神様にも祈り続けたことと思う。
    しかし、癌は無情にもその人の命を日々確実に縮めて行った。
    死の四日前、家族で温泉旅行をした。
    子どもたちと湯船に入った。
    死ぬということは、抱きしめられないということだ。
    優しい言葉をかけられなくなるということだ。

    80歳の母が亡くなった。
    彼女には軽度の知的障害のある66歳の一人娘が居る。
    母独り子独り。
    母は居酒屋を50年間やってこの子のために生きて来た。
    癌が見つかり、死期が迫った。
    何よりもの心残りは、この娘のことだった。
    独りでこの世に残すことの寂しさと無念さと、何よりもの哀しみと。
    母もきっとどれだけ涙を流したことだろう。
    きっと神様に祈ったことだろう。
    それでも、やっぱり終わりがやって来る。

    ところがだ。
    母が可愛がり、優しく接し、時には悩みを聴いて助けたであろう常連さんたちが、
    母を慕い、母をしのぶ会を開いてくれたのだった。
    母は亡くなったけれど、母はしっかりと優しさの種を人の心に撒いていた。
    その種が芽を出し、花を咲かせた。
    その母の優しさは、たくさんの人の心に受け継がれている。
    そして、その人たちはここに独り残された娘さんを我が子のように心配している。

    終わり方は、生き方だ。

    どうにもならない生き方をしてしまった私にも、
    神様は、やり直す、生き直すチャンスを下さった。
    死を宣告された人たちは、きっと想ったことだろう。
    どう生きたかではなく、今日を、これからをどう生きようかと。
    そこに、命懸けの覚悟のようなものを私には感じられた。
    しかし、私もまた同じなんだ。
    いつかは必ず死ぬものだ。
    終わりだけは、全ての命に平等に約束されている。

    生まれた瞬間に、死ぬことは決まっているのだ。

    では、どうやって生きたらよいのか。
    その「問い」を忘れずに、持ち続けることだと想えるようになった。
    ナオミは全てを失っても、故郷に帰って来た。
    そこで生き直し、やり直すために。
    はからくも、そこには神様の摂理が働いているのだが、
    そのことにはナオミもルツも気づいてはいない。

    ここに登場した三人の人たちにも、
    きっとそのはからずもの摂理は働いていたはずだ。
    私は、この父とこの母のことは忘れまいと思っている。
    ご冥福をお祈りします。

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