新規登録がまだの方

下の[新規登録]ボタンを押してコミュニティに登録してください。

新規登録(無料)

登録がお済みの方はこちら

コミュ二ティポイントのご案内

詳しく見る

親父たちよ

親父たちよ>掲示板

公開 メンバー数:62人

チャットに入る

サークルに参加する

サークル内の発言を検索する

新しいトピックを立てる

サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。

閉じる

  • from: クマドンさん

    2016年06月28日 06時14分30秒

    icon

    「ジプシーのとき」「アンダーグランド」

    このページに不具合が起こっている。
    変な帯がページにかかって読めなくなっている。
    こんなこともありかと、諦めてもいるが、
    メッセージの全容は翌日に明らかとなる。

    代休の月曜日の午前中は、せっせせっせと庭仕事だった。
    身体を使った生業のある人の羨ましさだ。
    春には春の、夏には夏の仕事がちゃんと向こうから用意される。
    その求められている機微を察知して、手を加え、手間をかける。
    だから、いつも外での仕事。
    私は、休日には何も予定がない時は、庭に出て何かの仕事に没頭している。
    この日中はお日様の下で汗して働くって、本来の人の生業なのではないだろうか。
    おかげさんで、庭の片隅にささやが新たな花壇が誕生した。
    私は、手術の前に、花を植える人になっている。
    ここに何かを託しながら。

    さてさて、全部で5時間余りも映画館でスクリーンに向かっていた。
    シネウインドのサラエボの名匠 エミール・クストリッツァ監督の名作
    「ジプシーのとき」と「アンダーグラウンド」を観ていたからだ。
    午前中は暑さでふらふらとする光の中で、
    午後は映画のアブラカダブラの光と闇の中へ。
    途中、コンビニからお握りとサンドイッチを買って来て、
    夕方はそれを食べながらの鑑賞だった。

    シネウインドの館長Hさんの絶賛する映画だった。
    「ジプシーのとき」は、純粋に生きていた若者が、転落の人生に向かう映画だった。
    故郷に残してイタリアに旅立った彼が、悪事で貯めた大金を手に帰って来ると、
    新婚の妻は、叔父に犯され、妊娠していた。
    妻は、彼の子だと言うが、彼は信じられなかった。
    絶望のどん底で、彼は彼女をイタリアに連れて戻った。
    彼女が出産するシーンがよかった。
    その瞬間に、彼はその子がまぎれもなく自分の子であると信じる。
    しかし、時すでに遅く、妻はそこで命を果ててしまう。

    「アンダーグランド」は、二回目の出会いだった。
    強烈な生き方の二人の男と、そのはざまに翻弄される一人の女優。
    このブラスの響きが今でも心に鳴っている。
    第二次世界大戦から、冷戦の時代へ、そして内戦と、
    サラエボを襲った戦争の悲劇なる時代が舞台だった。
    ここでのクロの生き方が秀逸だった。
    その一途な想いをただただ貫いて生き抜いて来た男。
    内戦の最中に、親友と愛する女優の死を知りながらも、
    見失ってしまった愛する一人息子を探しながら、戦場を訪ね歩く。
    家族こそ幸せの道だった。
    その家族や親友や恋人や昔からの仲間たちが、
    笑顔で幸せに暮らせる場所は、どこにあるのだろうか。

    アンダーグランドから、水の世界に。
    そして、ラストは想像の世界へ羽ばたき、愛する息子の結婚式となる。
    亡くなった懐かしい人たちがそこに集い、酒を酌み交わし、ブラスに酔いしれる。

    私たちは、大事なものを失わないと、その大事さが分からないもののようだ。

    喪うことで、愛しさが募る。
    喪うことで、真実が分かる。
    ただ、後悔する生き方からの再生を、
    私はやっぱりしなくてはいけないようだ。

    クストリッツァは、ただジプシーの愛すべき家族を描いた。
    そして、犯罪であり、戦争であり、その家族を取り巻くいかなる状況であろうとも、
    本当に見失ってはいけないものは、家族への愛それだけなんだ。
    二本の映画には、父による息子への深い深い愛が描かれている。
    「ジフシーのとき」では、復讐の結果、若い父親が死ぬ。
    「アンダーランド」では、20年間地下で生きた愛する息子が死ぬ。

    私は、喪う前に、そのことに気付いて、よかったと想う。
    だから、どう愛するかしかない。

    今を、ここで、この家で、家族と共にどう生きるのか。
    夫として父親として、私は何を為すべきなのか。
    その本当はとても単純で当たり前でそうあるべき生き方を、
    どこかで私は忘れてきてしまったようなんだ。
    喪ったのは、私の魂なのか。

    しかし、「再生」は必ずある。
    「蘇り」は、ここに存在するではないか。
    私は、そのマインドフルネスを信じている。
    だから、この二本の映画と出会えたのだと想っている。

    あの切ったなでしこの茎からは、可愛い花芽がたくさん育っている。
    「蘇り」とは、自然のもつそのものの生きる力だった。
    私も、自然の一つ。
    それを信じて、今日を一日だけ生きてみようと想っている。

    • コメントする

      サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0
    • 拍手する

      サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0

    icon拍手者リスト

コメント: 全0件