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  • from: クマドンさん

    2016年09月17日 06時06分10秒

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    ああ、山ノ下祭りなのに

    山ノ下祭りの朝だ。
    今夜は宵宮で太鼓と神輿が宮昇りする。
    昨日の夕方、ふれ太鼓が町内にやって来た。
    一人なかなかうまい太鼓が聴こえた。
    「へぇっ、誰だろう」と思って表に出て太鼓を待った。

    「クマさん、だめらんだ?」と、先棒を引くCさんに言われた。
    「ほれ、まだくっついていないて」と、腹のガーゼを見せた。
    本当は祭りには参加したかった。
    あれだけ「へたくそ」と言われた太鼓を、
    また酔っぱらって叩きたかった。
    祭りのみんなにも久しぶりに会いたかった。
    しかし、身体がこれではどうにもならない。

    「俺、祭り、出るは」と、水曜日の夜、妻にぽつんと言った。
    太鼓を叩かなくても、太鼓について歩くくらいは何とかなると思っていたからだ。
    「あなたは、いつもそうやって軽く考える」
    「お酒が入ったら、ブレーキが効かなくなること分かっているよね」
    「そして、また本気になって叩いて、傷が離れたらどうするん?」
    その通りだった。
    まさに、おっしゃる通りだった。
    私は、酒が入ると馬鹿になる。
    「えい、やっ」と、とんでもないこともやってしまう。

    まだまだ腹の筋肉が痛むばかりだ。
    これは治りかけなのだと自分には言い聞かせているが、
    手術してから二カ月たっても、しくしくといつも痛んでいる。
    痛みは、傷の存在と共に、私に生きるの自重を諭してくれる。
    だから、未だにジョギングすらしていない。
    重い物を持ったり、椅子の上など高いところにも上らない。
    不意に力を入れて、「あっと」いう間に腹筋が切れたらおしまいだからだ。

    そうやって日常生活を自重しながらも、やっぱり祭りは別物だ。
    血が騒ぐ。
    じっとしていられない。
    どうにもこうにも太鼓と笛の響きを聴くと落ち着かなくなってしまう。
    これも一つの病気だなぁと、諦めている。

    「分かりました。やっぱり秋の祭りはお休みにします」
    私も、大人になったものだ。
    「何言ってんだ。大丈夫らて」と、無責任に言わなくなった。
    何よりもそのあげくを考えられるようになった。
    これも痛い目をさんざん見たおかげさまだった。

    この身体のおかげで、できなくなったことばかりだった。
    しかし、できなくなったことで、初めて感じられたことばかりでもあった。
    障害をもってこの社会で生きて行くということは、
    どれだけしたいことや、やりたいことができないことであったのかが、
    やっと私にも分かったのだった。

    その哀しみや悔しさや諦めの中で、きっと生きている人がいるはすだ。
    それでも、そうであってもどう日々を生きて行くか。
    そのことを改めて考えさせる機会を、この腹の傷は作ってくれた。
    この傷が、問うている。
    さて、クマさんは、どう生きますかと。

    やれることは、やっていこう。
    できないことは、今は諦め、いつかは必ずと期待しよう。
    治ること、元に戻ることを信じよう。

    これは、日々の生き方の中でもとても大切な教えだと、
    たった今昇ったばかりの朝日が言っている。

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