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  • from: クマドンさん

    2016年09月29日 06時03分12秒

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    我を忘れて、我を演ずる

    さてさて、どうしたもんじゃろうなぁ。
    ふと、いろいろなことを考えてしまう。
    するとそこから先には進めなくなる。
    そのことにこだわっていると、何だか自分の無力を感ずる。
    年を取ればとるほど、その無力である自分を自覚する。

    昨日、子供向けのミュージカルを観た。
    歌と踊りと語りの世界。
    そこには子どもたちに伝えたい夢があり、愛があり、メッセージがあった。
    まさに舞台はアブラカダブラの魔法の世界だ。
    その光と闇の世界に観る人たちを惹きこみ、
    その世界に一瞬のうちに没我させ、没入させる。

    食い入るようにして微動だにもせず見つめる子どもたちの目。
    身体と心とは、既にその世界・宇宙に存在していた。
    登場人物と一緒にそこに生き、そこで困難に出会い、そこで哀しみ、そこで戦う。
    観る私が居ながら、観られる私もそこには存在していた。
    観る私と観られる私とは二つでありながら、
    一つの私だ。

    無心になって、夢中になって劇中に飛び込むことで、
    はらはらどきどき、ほっとしたり、あわてたり、泣いていたり、笑っていたり、
    そんな感情の揺れ動きをそのままダイレクトに感じて、感動している。
    やっぱり舞台はいいなぁと、改めて想い、感じさせられた。
    私が私になって物語を演ずることで、
    私はきっと忘れていた、見失っていた私と言う人と出会うことができるからだ。

    彼は、私で、彼女も、私だ。
    そこに生き生きと生き、存在している私のことを、私が見つめる。
    その内に、私は私を意識せず、ただの私になって歌い、踊り、語っていたりする。
    その一体感は、忘我の一体感である。
    これが舞台のリアルだ。
    リアルであるから、観る者は我を忘れてその世界に没入する。

    観ている私が、消える。
    そこでは限られた時間と空間の中で自由に生きて、表現するだけの私が居た。
    つまり、演じているのは、私だった。

    無心になり、無力になることで、
    本当は劇中の私のように本来の自由なる私として、
    この限られた時間と空間である現実世界に生きることができるのだ。
    私がここにいる限り、このまどろっこしく、悩ましい私はどこにも行かない。
    しかし、私が我という本心により定められた役を演ずることに無心となると、
    実は、私は私として、あるべきように生きられるようだった。

    無心とは、無力とは、諦めとは、
    その死んだ身体を何かに化して、何かによって生かされることのようなのだ。
    人生とは、舞台であると、シェークスピアだったか言っていた。
    もし、私が役者として、私がやりたい役ではなく、
    生まれる前から私に定められた役柄を演ずることができたら、
    その時は、果たして私が生死を超える時なのかもしれない。

    舞台に立って演じた時、「降りてきてください」と、念じたものだった。
    そして、果たしてやっぱり降りて来たそのものに全てを委ね、
    歌い、語り、身体を動かした。
    無心になることは、なにかになることだ。
    無心、無力と、なにかの存在と働きとは、けっして矛盾しないのだ。

    観る者と観られる者の一体感。
    一でもなく二でもなく。一でもあり、二でもある。
    「絶対矛盾的自己同一」
    舞台の奇跡に、その現れが存在している。

    だから、生きたければ、無心でいい。
    いかに生きるを分かりたければ、無力でいい。
    舞台は、ちゃんとそのことを私たちに教えているではないのだろうか。

    私を忘れて、我を演ずる。
    「我執を捨てて ただなんとなく」by蒲水先生

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