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  • from: クマドンさん

    2016年12月27日 06時29分30秒

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    二つのポリタンク

    さてさて、N大の泌尿器科の外来だった。
    午後からだったので、ランチを展望レストランだった。
    美しい三人の女性がここで働いている。
    私は入院して居る時には、
    毎日午後はここでコーヒーを飲み、ある劇の脚本を書いていた。
    何もすることがなかったので、何か夢中になるものが欲しかったからだ。
    三人は、いつもいつも笑顔で迎えてくれる。
    そして、親切にしてくれる。
    言葉をかけてくれる。
    ありがたいとは、こういうことだった。

    外来の時には、午後ならここでランチにしている。
    「今年も終わりですね。よいお年を迎えてください」と、
    帰りがけに三人から笑顔での挨拶をもらった。
    嬉しかったなぁ。
    こんなちっぽけな私のことを知っていて、覚えていてくれる人がここに居る。

    外来の待合室には人が居なかった。
    いつもは二時間待ちが当たり前のような外来なのに、
    やけに閑散としていた。
    後で分かったことだが、新患のための時間としてここを設定しているとのことだった。
    また、私は泌尿器科の新患として病院通いが始まった。

    若い女医さんだった。
    ドクターって、本当にてきぱきと何でもはっきりと話す人が多い。
    すぐに本題に入り、CTの画像を見せてくれた。
    副腎に腫瘍があると言われても、副腎とはとごにあるのかも知らない私。
    「あのう、副腎ってどこにあるんですか」
    すると、腎臓の上にあるちっちゃな臓器だと教えてくれた。
    「あのう、どんな働きをしているんですか」
    すると、血圧や血糖値をコントロールするためのホルモンを出しているとのこと。

    私は、CTの画像で、瓢箪のようになって膨らんでいる腫瘍を見た。
    「これって、よくない腫瘍なんですかね」
    すると、それを調べてみないと何とも言えませんとのドクターの言葉。
    「どんな検査ですか」と聞くと、
    これがまた大変な検査であることを知った。

    オシッコを全て5リットルくらいのポリタンクに貯めると言うのだ。
    それも、午後2時から初めて翌日の午後2時までの全てのオシッコを。
    そして、二日目にはもう一つのポリタンクに貯め、
    その二日分のポリタンクを、三日目の午後2時にここに届けよとのことだった。
    「えっ、全部ですか」と、私は絶句。
    すると、笑顔で「そうです。全部です」と何事もなく答えられた。
    「あのぅ、仕事が・・・・。出張が・・・・。」
    すると、それでも全部ですと淡々と伝えられた。

    実物を見せてもらった。
    でかい。
    これをもって職場に、出張に行けと言うのか・・・・。無体な・・・・。
    ということで、その大きなポリ容器二つを、
    「特別ですよ」と看護師に言われて、大きな紙袋に入れて会計に向かった。

    「おいおい、災害対策の給水車じゃないんだよ」と、何だか情けなく感じた。

    昨日から、せっせと紙コップでオシッコを入れて、それをポリタンクに移している。
    実は、驚いたことがある。
    それは、一回のオシッコの量である。
    あの500mlの生ビールが入る紙コップが一杯になってしまうのだ。
    いやはや、やってみないと分からないものだ。
    「そんなでかい容器でないとだめですか」と、私が苦言を呈すると、
    「これでも足りない人が居るのですよ」と、即座に却下された。
    こんな不自由な生活が、明日の午後まで続くのだそうだ。

    内臓のことは、内臓に聴く。
    日頃から意識しながら、その声なき声を聴く感性が大事なんだ。
    身体は、私を生かすために、自分自身が生きるために、頑張ってくれている。
    しかし、現在は2人に1人が癌になるとのこと。
    その当たり前については自覚しながら、生活習慣を改善して、無理をせず、
    早期に発見するように努力するしかないようだ。

    風が吹けば桶屋が儲かる。
    一年前の臨港病院での内視鏡手術の失敗が、
    巡り巡って、この副腎の腫瘍にたどり着いたということだった。
    感謝すべきは、失敗したあの若い男性のドクターかな。

    最近は、身体は身体として独立した存在であると考えられるようになった。
    後は、身体さんにお任せすることにした。
    今日一日、ポリタンクを友として、せっせとオシッコを貯めて行こうと思っている。

    また、明日の午後二時にN大に大量のオシッコを届けたら、
    あのレストランで、三人の美女に囲まれて、
    美味い美味いコーヒーを飲める予定だ。

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