今朝の道路はどうなんだろう。
凍結していたら、車の運転も十分気を付けねばならない。
いつもより３０分早めの出勤となる。
阿賀野川を渡るための泰平橋が大渋滞になるからだ。
何か困難なことがあったら、何も言わずに、さっさと対処する。
そんな生き方を今は、少しずつ学んでいるところだ。

「クラウド」というものをＳさんから教えてもらった。
情報はみんなここに預ければいいそうだ。
必要な時に、そこから自分が求めている情報を引き出していく。
まるで情報の銀行のようなものだと思った。

そして、もし、私たちがクラウドの中に居たらどうなのかとも考えた。
クラウドは、あちらにあるものでなく、
私のことを包み込み、私がクラウドのど真ん中に生きている。
そして、私は、クラウドを使う人でもあるが、
このクラウドの分子で創られた人であったらどうかと。

つまり、クラウドでみんな全てのものは創られている。
このクラウドの分子から創られていないものはないとする。
すると、みんなはクラウドの仲間であり、
同じ分子から創られた、同じいのちなのだということになる。
私は、クラウドであり、あなたもクラウドであり、
あの花もクラウドであり、あの樹もクラウドであり、あの犬もそうなんだ。

すると別々に分かれる必要もなく、
みな同じいのちの根源から生まれた兄弟であり、姉妹であり、同胞なんだ。

クラウドは言葉であるなら、私は言葉の人として生きればいい。
人にだけ、神様は言葉を与えられた。
その言葉は、御霊とも言われ、霊性のある魂でもある。
言葉を通して、私に深く深くで呼びかけ、語りかけて来るもがある。
しかし、その言葉は、あまりに深すぎて、奥深くにありすぎで、
私には、悟ることのできない言葉でもあった。

しかし、言葉は、ここに在り。
実は、言葉しかここには存在していない。
人として生まれた私には、その言葉がすでに与えられているが、
その言葉と出逢えないまま、この年に到っている。
クラウドであり、クラウドの中を生き、クラウドしかないのに、
私は、クラウドを自分とは違う、雲のようにしてあちらに見ている。
だから、その言葉の意味がわからないまま、ここまで生きて来た。

与えられていても、わからないもの。
不思議だが、機が熟さない限り、その言葉は意味として己にも開示されない。
意味のないものは一つも存在していない。
あらゆるものは意味をもって生まれて来た。
しかし、人だけは、その意味を探し求める旅をしなければならない。
それが、人として生まれた私の宿命であるとも想う。

言葉は、私に何を語っているか。
その語りは、止むことはなく、
生きている私にはずっとずっと語りかけられている語りだった。
時には、それは物語として語られ、
たとえ話として語られる。
そこにある奥深い意味を、私にわからせるために、絶えず、止まず、語られる。

その言葉が、このクラウドだ。
私は、クラウドの中を歩いていることに気付くだけでいい。
私は、このクラウドから生まれたいのちの１つだと思い出すだけでそれでいい。
忘却の彼方に隠されたその意味を、想起することだ。
私が、その言葉としての私で再び生まれ直すこと。
それが、クラウドを彼方に見る生き方でなく、
クラウドのど真ん中で、クラウドとしての私が、
御同胞と共に生き、歩き、語り、助け、死ぬこととなるのだと、ふと想った。

ドストエフスキーは言っているそうだ。
「これからの時代で大事なことは、共感共苦だ」と。

すべてのいのちはクラウドから生まれた。
すべてのいのちは、兄弟であり姉妹であり、御同胞だ。
私は、ほんの一瞬の明滅の中でのいのちとしてこの世に生まれた。
それはほんの刹那のことだとも思う。
ならば、もっともっとその刹那を愛おしみ、慈しもう。

そして、同じ時代にこの世に宿命として生まれて来たいのちを、
兄弟として、姉妹として、御同胞として共感共苦しながら生きて行こう。
それだけだなぁと、クラウドからそんな気付きが生まれてよかった。
Ｓさんには、感謝、感謝だ。