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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2017年01月18日 06時11分11秒

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    昔々のお話しだ

    さてさて、これははるか彼方の国の、昔々の話だ。

    王様が居た。
    我がままで、ずるくて、どうにもならない幼稚な王様だ。
    家来たちは、いつもこの王様が何を言いだすか冷や冷やとしている。
    もし、王様の怒りにかられたら、明日は我が身だ。
    断頭台のつゆとなる。

    王様は言う。
    「隣の国から貧しい民たちが国境を超えてやって来る」
    「許せん。我が国の富や食料をそんな者たちに与えるわけにはいかない」
    すぐに、国境に500mの高さの壁を奴隷たち作らせ、
    その壁を抜けて国境を超える難民たちを皆殺しにした。

    王は言う。
    「我が国に貢物をする国はどこの国なのかのぅ」と。
    その声を聞いた隣人である小国や大国の王たちは、
    この我儘な王様のご機嫌をそこねないように、
    せっせと貢物をし、使者をこの王様の城に送った。
    「まだ、あの国からは何も届いていおらんのぅ」
    王様にとっては貢物を贈る国はいいくにだった。

    しかし、集められた富は、大部分がこの王様の独り占め。
    僅かばかりのおこぼれは、取り巻きの大臣に配られる。
    その他の大部分の国民たちは飢えと寒さと過酷な生活。
    それでも王様は、幸せだった。

    王様は言う。
    「最近私のことを酷い王だと語っておる者がおるそうだ」
    「即刻つかまえて、ギロチンにしろ」
    そのお告げがあったから大変だ。
    密告や噂話。あることないことでっちあげ。
    ついにはスパイも現れて、国民の言動を監視するまでなってしまった。
    毎日、夕方になると広場に国民は集められ、
    公開処刑に立ち会わされる。
    「私のことを悪く言うと、ああなるよ」

    王様は言う。
    「お前はこの前、私を侮辱したな。お前なんか、死ね」
    「お前は私のことを嫌いだと言ったな、お前なんか獄に入れる」
    次々と逮捕され、処刑される者が出て来た。
    誰も本当のことなんか言えなくなった。
    「王様、万歳。王様、万歳」
    さてさて、取り巻きにはごまをする米つきバッタばかりとなった。
    讒言したら命はない。
    だから、誰も、国民の苦しみや悲しみ、その生活の苦しさなど伝えるはずはない。
    明日は、我が身なのだから。

    仕立て屋の兄弟が王様のところにやって来た。
    「王様、とっておきの世界に一つだけの素晴らしい布をお持ちしました」
    しかし、その男の手にしているはずの布が、
    王様にも、お妃さまにも、王子様にも、そこに居並ぶ大臣たちにも、
    誰にも見えなかった。
    「えい、お前は、わしを馬鹿にするのか。布などどこにもないではないか」
    兄弟の兄は、その王様の言葉に驚き、こう言った。
    「まさか、世界一賢く偉大なる王様に、この布が見えないとは・・・・」
    「・・・・」
    「この布は、馬鹿で愚かなものには絶対に見えない不思議な布なのです」
    弟も言った。
    「きっと王様ならこの布の素晴らしさを褒めていただけると、
     はるばる何千キロの旅をして、この不思議な布をお持ちしました」
    「・・・・」

    王様は言った。
    「おうおう見える、見える。わしにはちゃんと見えるぞ。なんと美しい布じゃ」
    するとお妃にも、王子にも、周りの大臣たちも、
    その布が見える、見えると、口々にその布の素晴らしさを褒めたたえ始めた。

    「それでは、もっと素晴らしい布で王様の服をおつくりしたいので、
     お城のお部屋をお借りして、この不思議な糸で布を織らせてください」
    「おおよしよし、よきにはからえ、よきにはからえ」
    誰にもその糸は見えなかったが・・・・。

    さてさて、職人の兄弟たちが部屋に籠って布を織り始めた。
    王様に様子を観て来いと言われて部屋の中をのぞいた大臣は驚いた。
    何も見えない。職人たちは機で布を織っているそぶりだが、
    何も見えない。
    しかし、そうとは言えないこの大臣たちは、
    「王様、素晴らしい布が織られております。ご期待ください」とご報告あそばした。
    王様がこっそり内緒で観に行っても、それは同じ。

    ある日、王様は、その不思議な糸で織られた布で作られた豪華な服を、
    裸のままでまとって、パレードに出かけた。
    しかし、国民も大したもので、
    王様が真っ裸でも、そんなことを言ったなら、ギロチンにかかってしまうと、
    やんややんやとこの裸の王様の業かな衣装をを賛美し、褒めたたえた。
    王様もいたくいたくご満悦。

    ところが、それを見ていた少年が、腹をかかえて笑いながら、
    「王様が、真っ裸で歩いている」と大きな声でみんなに言った。
    その声にはっと我に帰ったパレードを観ていた国民が、
    「えっ、やっぱりそうか。やっぱり裸か。おかしいと思っていたんだ」と、
    もうこれはこれは大変なこととなってしまった。

    さてさて、裸の王様は、どうしたか。

    これは、遙か彼方の国の、昔々のお話しだ。

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