こんな人間にはなるな。
そう子どもに教えて来た人間が、権力者になった。
人類の心の進歩とは何だったのかなぁ。
しょせん自分独りがいい目をみればそれでいいという、
そんな大金持ちを作ることが、教育の理想なのかなぁ。

その大金持ちは、その金を全部貧しい国民のために使い果たしたらどうなのだろう。
自分だけよければいいという愚かな人間が権力をもってしまったとき、
その世の中での理想とはぃったい何なのだろう。

何だか考えるだけで、心が重く、苦しくなってしまう。
特権階級だけが全体の富を搾取し、独占する世の中。
ビジネス社会の中で勝ち残ったほんのほんの一握りの途方もない資産家たち。
彼等彼女等は、国家予算以上の資産を抱えながら、
それを市民たちへの幸福のためには使おうとはしない人たちだ。
慈善団体への寄付すらしない。
只管、己の資産の膨大だけを夢見て、ビジネスに奔走している。
それなのに、そんな人間が権力者に選ばれる。
これって何か間違ってはいないだろうか。

その虚しさ。愚かさ。哀しさ。
移民を差別し、他国の国民を誹謗中傷し、ある宗教を絶対に許さないと宣言する。
これは、人間なのだろうか。
このどうにもならないお坊ちゃんが、ここに居る。
そして、その人間が、大国の首領として選ばれた。

毎日、何だか架空の物語のような愚かな物語が展開されている。
それを語る有識者たちは、みな首を垂れ、溜息をつき、力が出ない。
他国である私たちがそうなのだから、
自国のことである国民にとって、この物語はいかなるものだろうか。
どんなにデモをしようと、抗議の声を挙げようとも、
選んだのは、その国の国民だった。もう遅い。

あり得ない選択を、こんな重大な決定で、下してしまった。
その国の教育は、どんな人を理想として子どもたちを育てると言うのか。
情けなくて、どうにもならなくて、悪夢のような現実に今、直面している。

この話は、これだけにする。
何だか、語れば、語るほど、辛くなる話はしたくない。
ここでやはり肝に銘じたいことは、
国家の運命を左右する政治家と呼ばれる人たちの選択を、
目先の利益だけでなく、本気になって考え、選択しないと、
その結果のつけは、その国民自身に必ず及ぶということだ。

未来には、夢をもちたいものだ。
人間としての尊厳をもち、愛と理想とで生きたいものだ。
政治とは、本当はそれを実現するためにとてもとても大事な働きだったんだ。
そんなことを、私は教えられた。
国家の政治こそ、一部の人に利益を供するために、
負の選択を決してしてはいけないのだ。
儲けるのは、誰なのか。
どうしてこのことが分からないのだろうか。