新規登録がまだの方

下の[新規登録]ボタンを押してコミュニティに登録してください。

新規登録(無料)

登録がお済みの方はこちら

コミュ二ティポイントのご案内

詳しく見る

親父たちよ

親父たちよ>掲示板

公開 メンバー数:62人

チャットに入る

サークルに参加する

サークル内の発言を検索する

新しいトピックを立てる

サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。

閉じる

  • from: クマドンさん

    2017年02月08日 05時32分57秒

    icon

    2月6日のこと

    昨日、注射に行って来た。
    その前に8階の病棟に。
    ここに来ると不思議な懐かしさを感じてしまう。
    ICUから運び込まれた個室がある。
    ここで私は不眠と痛みとで自死すら考えた所だった。
    病院の窓が開かないのは正解だと、白山浦の夜景を見ながら想った。

    その時、担当をしてくれた看護師Mさん。
    私は、この人にどんだけ救われたか、わからない。
    やっと指が動かせるようになり、身体を少しだけ横にできるようになったとき、
    「クマさん、歩きますよ」と言って、私を立たせた人だった。
    本当に可愛い人で、私の長男の少しだけお姉さんなだけなのに、
    実にご無体な厳しさだった。

    笑顔で私を支え、私を立たせた。
    「歩きますよ」
    私は、すっかりと歩くと言う動作を忘れていた。
    そして、こんなにも前に進むということが大変だったのかと、
    改めて感じた。
    片足を出すだけでふらついて倒れそうになる。
    次に、体重を移動することだけでも、意識の集中が必要だった。

    足を引きずりながら歩く。
    片足は、ほんのつま先の前にしか出せなかった。
    それでも少しは移動している。
    「ゆっくりでいいですよ」彼女は、実に優しく、親切で、厳しい人だった。

    私は、彼女が担当の日が楽しみになった。
    親父の患者にとって、彼女のような看護師さんは菩薩様だ。
    本当にその笑顔に癒され、ほっとすると痛みが和らいだ。
    看護の意味と役割とが、患者である私はよくよく感じた。
    安心感と信頼感こそ、看護の極意なのだった。

    Mさんには、再度入院した時も担当になってもらえた。
    これはある意味、奇跡だった。
    何故なら、年度が替わり、多くの看護師さんが異動となるからだった。
    また、チームのシフトが変わり、担当する病室が替わるからだった。
    私は、2度目には以前とは対象の位置にある病室に入った。
    そしたら、そこは4月からの彼女の担当の病室だった。
    手術の朝、彼女は私が手術だと聞いて、病室を訪ねてくれた。
    この笑顔だよなぁと、改めてその笑顔の効果を感じた。

    そして、2回目の退院から半年間。
    私は、外来の度に8階の病棟を訪ねた。
    何故なら、退院の日に彼女は非番で、私はお礼を言っていなかったからだ。
    だから、外来の度に行ってみるのだが、これが全く会えないのだった。
    これもまた不思議なものだと感じていた。

    そして、昨日、早めに行って8階に行ったら、彼女は勤務していると知った。
    そして、再会。
    あの笑顔に、あの声に、あの姿に、何も変わらず、嬉しかったなぁ。
    長男と少しだけ年上のお姉さん。
    彼女の父親と私とは、同じ年だった。
    「あの時は、本当にありがとうございました」と、やっとお礼を直接言えた。

    それから、私は、アイソトープの部屋に入り、
    放射能を身体の中に注入した。
    体内での被爆だった。
    その放射能の甲状腺への影響を阻止するために、ヨードの液を飲んでいた。
    私の身体の中に放射能が在る。
    これはこれで不思議な感覚だった。
    車を運転しながら身体が内から熱くなることを感じた。
    「原子力発電・・・・・」まさかねぇ。

    あの8階の消化器外科の病棟には、
    どこを歩いていても懐かしい思い出が沁みている。
    それだけ長くそこで暮らし、
    それだけ多くの人たちのお世話になったということらしい。

    本日午後から、いよいよその放射能が発光しているどうか写真を撮るそうだ。
    30分くらいかかる検査らしい。
    それで、私の腫瘍の名前が決まる。
    そして、私の今日からの運命も決まるらしい。

    願わくば、Mさんの居る病室に入りたいものだが、
    受診している科が違うために、それは望むことはできない夢となる。
    さてさて、どのような運命が待ち受けているのか。
    それは、神のみぞ知ることだ。

    • コメントする

      サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0
    • 拍手する

      サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0

    icon拍手者リスト

コメント: 全0件