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  • from: クマドンさん

    2017年03月23日 15時21分11秒

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    腑に落ちる言葉で救われる

    自宅療養中は、小千谷のSさんとの電話が本当に救いだった。
    ここに隔離され、軟禁状況のまま、拷問を受けている日々は、
    ある意味、本当に救いようもない悲惨な状況だからだ。

    人は、どうしたら生きられるのか。
    それは、やっぱり人とつながり、
    人のおかげさまがあれば生きられるのだとふと思った。

    独りでずっと天井を見ながら1日を暮らす。
    それも、激烈なる痛みに襲われ、勘弁してくださいと祈りつつも生きている。
    何だかどこかの国の牢獄に入れられ、
    毎日過酷なる拷問を受けている政治犯かとも錯覚を覚える。
    そんな環境に置き去りにされている私は、
    Sさんの穏やかで明るい声にどれだけ救われたことだろう。

    電話での話には、自然といつもテーマが生まれる。
    それは、互いの気づきを語りながら、何だか自然と行き着いたテーマでもあった。
    それを私たちは、「気付き」とか、「発見」と言っている。
    でも、そのことは既に私たちの中に在ったもので、
    私たちがここまで気づかずに生きてきたものだった。

    「ああ、そうか」「そうだったんですね」と、
    私たちはその生き方に触れると、「腑に落ちる」のだ。

    「離れる」という生き方がある。
    それは、何かから離れて、遠くなり、そこからその何かを見ている生き方だった。
    メタ認知とでも言うのだろうか。
    私を私が離れた位置から俯瞰する。
    私なんだが、私が他人事のようにして生きている私を柔らかな眼差しで見つめている。
    「俺が、俺が」ではなく、その俺を手放し、
    そのつまらない俺から解放された自由で生きている。
    離れるとこだわりがなくなる。どうでもよくなる。そのままでいいがな。
    そんな生き方がありますねとのSさんの語りだった。

    「感じたままに、語る、動く」
    何だか自分の考えを正当化して、相手を説得するために論を立てて、
    語っていた私たち。
    年を取った今では、そんなものはどうでもいいなぁと、
    再びそこに戻ろうとは想わない私たち。
    「どうしちゃたんでしょうね」と笑う。
    ただ、感じたことは、語りたい。感じたままに、語りたい。
    そこに語られる言葉は、リアルに存在する言葉だ。
    実感として私たちの間で存在する言葉だ。
    それ以外の言葉は要らない。
    「そうなんだねぇ」と、言える腑に落ちる言葉だけが大事な言葉だ。

    その言葉は、深く感じた人にだけ発見される言葉だ。
    プラトンが「想起」と言った意味は、この言葉との出会いのことだ。
    だから、理屈や世間や常識や学問や科学が先にあるのではない。
    まず、「今、ここ」の私が、私の身体で体験し、
    味わったことを表現する言葉だけが、確かに存在する。
    その共通認識に立っている。

    いや、立ってしまったから、再び論の世界には戻れなくなってしまった。
    論じたくはないし、説明もしたくない。
    これをやって来ましたとも言いたくないし、人に合わせたくもない。
    感ずることと、言葉とはまったく同化して、その間には寸分の隙間なし。
    そうして語られた言葉だけは、安心して語られ、聴きいれられる。

    高柳の紙すきの職人のKさんは、まるで仙人のような人だった。
    とにかく彼の語る言葉で、言葉でないものは一つもないのだ。
    季節の風から学び、土から学び、楮から学び、先祖から学び、高柳の風土から学ぶ。
    その一つ一つを言葉に表す時、それは普遍としての物語となっていた。
    私は、彼のその身体から滲む物語を聴きながら、
    私の深くで感じて滂沱の涙が止まらなくなったものだった。

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