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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2017/06/27 06:13:38

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    「人生は、フルーツ」

    「人生フルーツ」
    津端さんご夫妻のお話し。
    修一さん90歳・英子さん87歳かな?
    二人は団地で囲まれた宅地の中で300坪の土地を持ち、
    そこに里山と畑と庭を復元させた。
    自宅は30畳一間の木造の家。
    中は間仕切りが無く、がらんどうのまま。

    土を育て、種を植え、世話をして収穫をする。
    収穫したものを食材として、英子さんが調理する。
    畑でとれたての野菜が食卓に並ぶ。
    それを美味しそうにいただく二人。

    何もないけど、とても落ち着いた暮らしぶり。
    無理をせずに、静かに静かに時間が流れる。
    それでいいんだし、その中でどう幸せを味わうかかな。

    彼は、建築家だった。
    かっての高度成長の時代に都会に移住する人たちの住宅難の解消のため、
    広大な宅地造成が行われた。
    自然の地形を活かして、元の里山をいつでもイメージできるようなコンセプトで、
    彼は、設計したが、却下された。
    無駄な空間はいらない。
    何階もある高層のアパートを乱立させる。
    自分の家がどこにあるか分からないような暮らし。

    彼は、その信念によって、この土地を購入した。
    ヨットマンの彼は、ヨットに全部をつぎ込んで金はなかった。
    質屋通いは妻がした。
    それでも、この土地を買い、自分の想い描く理想の暮らしを実践した。

    「住宅は、生活の玉手箱でなくてはならない」
    「私たちの偉大な先生は、自然である」
    「人は年を取ると、人生が美しく感じられる」

    言葉はきっと違っているが、そんな意味を、彼等夫妻は生きていた。

    自然のあるがままで、人も生きられる。
    手放せばいいし、のほほんとしていればいい。
    自然に生きているものは、お任せのまま生かされている。
    そんな自然をお手本にする。

    そうすると、素直な、穏やかな生き方が感じられる。
    そしたら、お金なんかのことを考えなくていい。
    「私たちが子や孫に遺されるのは、豊かな土ですからね」と、
    秋の枯れ葉を袋いっぱいにためて、土にまく。
    水盤を置き、そこに鳥さんの水場を作る。
    柿やサクランボ等の実のなる樹を育て、
    その季節になると収穫をする。

    そして、その実を丹精込めて加工する。
    ジャムを作る。干して梅干しにする。フキノトウやゼンマイすら自生させている。
    自然の恵みと一緒に暮らし、それをありがたくいただく、喜びと感謝。

    修一さんに、90歳にして仕事が舞い込んできた。
    ある精神病院の病棟を建てる仕事だった。
    心を疲れ、病んでいる人たちを自然の中で癒したい。
    彼は、自分の出番を喜び、心をこめて設計図を描いた。

    そんなある日。
    庭の草取りをして、少し疲れたからと眠ったまま、
    彼は、再び目を開けなかった。
    眠ったような彼の顔。それを見つめる英子さん。
    本当に、すーっと逝ってしまった。
    その最期を私たちも立ち会うことができた。

    私は、それを知らなかった。
    だから、驚いた。
    でも、かくありなんと、その安らかな顔に、亡くなった父や母を想った。
    自然なんだなぁ。本当に、自然なんだ。
    それをこうして生きて死んで逝ってくれた人が居るから、
    何だか、私も、高齢者ばかりの満員の観客も、ほっとする。

    Sさんとよく話すことがある。
    80歳のSさんと、60歳の私とは、その年の差は何年たっても変わらない。
    でも、話す度に何かず少しずつ変わっていることにお互いは気付いている。
    「生きてみないと、分からなかったね」と、そういうことだった。

    「人生は、フルーツ」

    修一さんのように生きたいものだ。
    英子さんと修一さんのご夫婦のように生きたいものだ。
    しかし、現実は、なかなか厳しい。

    だから、せめてもと想い、私は、庭に遊んでいる。
    ああ、畑が欲しいなぁ。雑木林が欲しいなぁ。柿の木が欲しいなぁと想いながら。

    二人は、真実を生きていた。
    これは、生きるの本物の物語だ。合掌。

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