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  • from: クマドンさん

    2017年09月21日 06時06分43秒

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    受けて、立つ。ぞ

    たまげたな。
    三回のお休みのため、久しぶりの北区の合唱だった。
    そしたら、山のような楽譜を与えられた。
    何と十数曲はあるだろう。

    歌の祭典の第三部の曲だった。
    みな知っている曲であっても、
    バスの部分を全部歌いきることは至難の業だった。
    私は、耳だけの歌だった。音符が読めない。聴いて歌う。
    だから、人一倍稽古しないと、その音は私の音にはならなかった。
    まさに、途方もない宿題を与えられた、できの悪い子のようなものだった。

    正しい音程は、ここにある。
    楽譜は、ただ五線に書かれた、音符の高低、並び方。
    私には、楽譜を観ても、その音は響いては来なかった。
    ところが隣でいつも歌っている70歳になろうかというIさんは、
    一見して、すぐにその音をとって歌いだす。
    その音そのものが、身体に沁みているからだ。
    私は、そのIさんのおかげさまで、声を出せる。歌を歌える。

    この歌というものも、とてもとても深いものがあるものだ。
    まず、呼吸法から稽古は入る。
    肋骨を広げたままで、腹筋を使って、息を入れて、すーっと吐きだす。
    音は、息なんだ。
    その響きを豊かにするためには、発声法の前に呼吸法だった。
    それは、まさに目から鱗の修業だった。
    身体を作る。息を作る。そこからしか、歌は始まらない。

    次に、歌い方だ。
    先日のアルビレディースの監督を90分間全力でやったおかげで、
    私は、一週間、声を満足に出せなかった。
    枯れたというやつだった。
    監督の翌日には、日常会話もままならないかすれ声だった。
    「声を、つぶした」
    しかし、そこから本当に時間をかけて復活すると、
    普段の会話の響きすら、太く低く豊かになった感じがする。

    響きなんだ。
    それは、胸全体を使い、響かせていく。
    音は、頭のてっぺんから出しなさい。
    音を出しながら、両手でその音を押し上げるようにだしましょう。
    まるで講師の先生の話は、禅問答そのものだった。
    つまり、私が、私の身体で体感しない限り、
    その求める音には決してならないということだ。

    ここにも、太鼓と同じイデアは存在していた。
    私は、まだ音になっていないその音になろうとしている。
    その音は、まだ私が耳に聴いたことのない音であるかもしれない。
    講師の先生には、その音は確かに響いている。
    だから、「まだまだ」と言う。
    「もっとこうしてください」と指摘する。
    そのアドバイスを一つ一つ私は自分の身体で試みる。
    発声とは、そのプロセスだった。

    歌うことは、聴くことだった。
    私は、全身を耳にして、ピアノとIさんの歌声に集中する。
    私が、私をそこで無理に発揮すると、音は必ずずれるものだ。
    その瞬間は、私は居ない。
    私は、その音、そのものになりきるためには、
    私自身を無にするしかなりようがないからだ。
    音は在る。
    ならば、その音だけに成り切ってしまう。

    そして、一つの音と成り、四つの音が和して響き合う時、
    何とも言われぬ高揚感を感じる。
    歌うことは、没我なんだな。

    覚えきれない楽譜を渡された。
    楽譜を読める人には、それでも解決の見通しは立っているだろう。
    私のような素人は、途方に暮れるばかりなのだ。

    北区文化会館から帰って来たら、10時だった。
    心地好い疲れに、一休みしながら、ビールに〆張り鶴だった。
    禁酒・休肝日を医師から言われるようになっている。
    守らないから、肝臓の数値は、またまたよくはなかった。
    それでも、飲む。

    歌うことも、同じかな。
    とてもとても下手なんだが、
    私が一つだけ人から褒められることがあるとすれば、
    それは、叔母ちゃんたちが言うように、この声だった。

    今は、バリトンの響きに磨きがかかってきた。
    酒を飲めば、酒になり、酒に酔う。
    歌を歌えば、歌になり、歌に酔う。
    還暦からリセットだ。
    私は、再び、大曲に挑むつもりで、歌いに行く。

    ある意味、この十数曲の楽譜は、私自身への挑戦状だった。
    受けて、立つ。

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