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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2017年10月26日 06時33分00秒

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    次男の誕生日

    今日は、次男の22歳の誕生日だ。
    彼は、2歳の時に突然インフルエンザにかかり、
    高熱を出して、意識を失った。
    救急車を呼んだ。
    しかし、直ぐには動かなかった。
    受け入れ先の病院が決まらないからだと言う。
    どんなにかその時間が長く感じられたことか。
    呼んでもも答えない。ぐったりとしている。どうすればいいんだ。

    「助かってくれ」
    本当にその一心で祈っていた。祈っていた。

    病院に着いた。すぐに処置が女医さんによって始まった。
    処置室には入れなかった。彼は、小さな身体で裸のままで、ベッドの上だった。
    「検査します」
    「先生、どんななんですか」
    「分かりません」
    「助かりますよね」
    「何とも言えません・・・」

    ICUの扉が固く固く閉ざされた。
    その向こうで彼は、今、生死を彷徨っている。
    ただ祈るしかない私。
    こうしていても涙が溢れる。
    泣いたなあ。泣いた。泣いた。
    椅子に座り、俯いて、頭を抱えて、ただ、ただ、泣いた。

    2月だったか、夜中に雪になった。
    私は、まだ煙草を吸っていたので、外に出た。
    そしたら、真夜中の天から、真っ白な雪が、
    どんどんと私を包み込むようにして、降って来た。
    そとつの天からの雪だった。
    何だか、その雪を観ていると、天に吸い込まれていくような感じだった。
    私は、天に祈った。

    教会の牧師さんに電話した。
    まだ公衆電話の時だった。
    「今、私の子が死にそうです。祈ってください」
    私は、教会を離れて久しかったのに、やっぱりすがった。
    「お祈りしますね。」は、もう亡くなった本間先生の優しい声だった。

    朝になった。
    ひと晩で真っ白な世界になっていた。
    まだ扉は固く閉ざされていた。
    インターホーンで何度か聴いた。
    「お待ちください」それだけだった。
    もし、この扉の向こうで彼の息が止まっていたら・・・・。
    何だか走馬灯のようにして、彼との笑って遊んだ日々が想い出された。

    これは、想いだしたくない記憶だ。
    でも、彼は、ここに、こうして、生きてくれている。

    「子どもは、天からの預かりものだ」と、
    私は信じて子どもを育てて来た。
    「預かっている責任」が私にはあった。
    とにかくとにかく可愛がったな。
    その事に対しては、微塵もこっぽっちも悔いが無い。
    そのことは、よかったと今でも想う。
    子育てって、やり直すことができないからだ。

    彼は、今、トレーニングにより、見事な肉となっている。
    地域の消防団にも所属している。
    大学4年生だ。毎日自動車で100キロの往復をしている。
    私が、話しかけても、返事をしない。
    いろいろと問いかけても、面倒だと言葉少なに応えるだけ。
    卒論のために毎晩遅く帰って来る。

    来年の六月には、就職のために東京に行くと言う。

    よく育ってくれた。
    私の自慢の二人の子ども。
    まだまだ死ぬまで当分は、私は預かっている責任がある。

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