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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2018年03月24日 10時54分01秒

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    新聞発表の朝

    さてさて、この日が来た。
    退職者の新聞発表だ。
    私の名前があった。
    退職する人の中の一人として。

    毎年、この時期、この新聞を他人ごととして見ていた。
    誰が退職し、誰がどこへ移動したかだった。
    でも、今朝は違った。
    私の名前をそこに探した。
    そして、自分の名前を見つけた。
    この日が来たんだ。

    何だか、ここまで来られるとは想っていなかった。
    多くの試練と自業自得のこと数多だったからだ。
    やっぱり相当なわからんちんだったと想う。
    いっぱい人にはご迷惑をかけてきた。
    本当にごめんなさいの人生だったな。

    でも、そのことに気付けてよかった。
    私は、私独りでここまで来れたのではない。
    思えばどれだけの人たちに助けてもらい、お世話になったことか。
    その時、その時に出会った人たちに、
    私は、確かに救われて生きて来た。
    「ありがとうございました」しかないな。

    今、少し、右手の指の動きが悪い。
    さっきからミスタッチが多い。
    薬指がひきっているような感覚がする。
    脳梗塞かなぁ。
    そんな身体なんだと、改めて想った。

    この仕事を最後まで、現役で全うする。
    それも一教師として終える。
    そのことは、私の信念であり、亡くなった母の夢でもあった。
    私は、そうやって生きてこられたことに誇りを感ずる。

    最後の最後の仕事まで、
    昨日一日、目いっぱい働いた。
    くたくただった。
    疲れた果てた。
    突然死、寸前だった。

    でも、それは、それでいい。
    そうしないと、今日が来ないから。
    自分を追い込み、次々とこなしつつ、それを果たす。
    「休みたい」「眠りたい」「疲れ果てた」と、
    それでもやっぱり、目の前の仕事をこなす。やっつける。

    考えてみたら、本当に何も無い人生だった。
    でも、この仕事をやり遂げられた今は、
    それでよかったと自分自身には言ってあげられる。
    誰も言ってくれなくてもいい。
    自分だけには、「よく生きた」と、言ってやりたい。
    そう想って、今朝の朝風呂だった。

    さてさて、やはり右手が痺れるようだ。
    いつものように指が動かない。
    小休止している間、観ていた番組に魅入ってしまった。
    カンボジアで単身孤児院をしている63歳の亮子さんの生き方だった。
    やっぱり「愛」なんだな。

    辛く哀しいことの多かったその人生なのに、
    人のために働きたいと言う一心で、カンボジアを訪れ、
    立ち寄った孤児院の子どもたちの悲惨な現状を目の当たりにして、
    見過ごすことが出来ないと、日本での家財道具を一切合切処分して、
    この地を再び訪れ、寺院を再生して、孤児院を造った。

    自身は、57歳で甲状腺がんとなり、全摘手術を受けている。
    それでも、この地に残って、日々を生きている。
    「帰るわけにはいかないじゃないですか。」
    ここに生きている子どもたち28名が自立するまで、
    自活できるまで、どうしても育てたい。
    いつも明るく、希望をもって、どんな困難にもへこたれず、
    そうやって生きられるのは、
    きっと自分のためだけに生きているのではないからだろう。

    感謝の会が開かれた。
    それは、テレビスタッフの中に通訳がいたからだ。
    いつもは子どもたちは想いが在っても、伝えきれない毎日だった。
    だから、「ありがとう」を、深く深くの思いのたけを、
    伝えたかった。
    でも、言葉にならない。言葉につまる。想いが溢れる。
    その想いは、涙に変わる。想いは、熱い熱い涙だった。
    まだ幼い子どもたちが、泣いている。

    こうして生きている人が居る。
    凄い人だ。
    人は、こんなに凄い人にもなれるんだ。
    彼女は、そんな子どもたちの感謝を受け止め、感動している。
    彼女には、家族は居ない。
    彼女には、子どもは居ない。
    彼女は、ガンのおかげで弱った身体で生きている。
    彼女には、お金は無かった。
    だから、彼女は、子どもたちが仕事して自活できるように懸命に働いている。

    やっぱり「愛」なんだと、私は想った。

    愛だけで生きる人を、人はきっと木偶の坊と言うのだろうなぁ。
    「清浄本然」かな。
    彼女は、そう生きている自分を知らないまま生きている。
    「心身脱落」
    「一切合切を忘れてしまう」そのままの生き方。


    そう生きている彼女が、尊い。
    そして、人とは、その尊い人になる人なんだな。

    何だかね。
    右手の指がよく動かない。
    身体が難儀で、何もしたくない。
    疲労感がひどく重い。
    そんな私に、神様が本当に生きている人を、紹介してくれた。
    「おいおい、まだだよ」
    「これから、これから」
    「では、どう生きる?」

    そうだね。
    亮子さんのように生きられたら、きっと本望だろうね。
    人生そのものを退職する日に、
    きっと心爽やかに、晴れ晴れとしてその朝を迎えられそうだ。

    尊い生き方こそ、清浄本然と言う、道元さんの教えなのではないだろうかな。

    他に言いようがないから、そう言い切りたい。
    やっぱり「愛」だな。

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