飲み過ぎると、ろくなことはない。
本当に猛省だ。

アルビは、天気が回復したので、スタジアムに行くことにした。
こてこてのＮ席だった。
あの大暴れ、大声で歌いっぱなしの私が、
あの席では全く目立たなかった。
ある意味、ショックだったな。

本当に何をやってんだの試合に、
怒りのテンションが上がると共に、酒量も増えた。
あの熱燗一杯が命取りだったようだ。
帰りに空いたバスに乗れたのでセーフと想ったら、
行先が「万代シティー」で、せっかく買った往復切符が使えなかった。
２８０円の損失だった。

それならばと、「吉原」で気分を変えようと行ったら、
会いたくない人がそこで、会合をしていた。
「何で、居るんだ」は、向こうもそう想っただろう。
せっかく酒を飲んでゆっくりとしたいと思ったのに、
あの顔を見たとたん、腹が立った。
怒りが込み上げて来た。
私は、この人だけは、大嫌いなんだな。
そんな人は、他には１人も居ないのに、よりによってこの人がここに居る。

直接言うわけにはいかないので、
テレビに向かって怒鳴っていたら、
「お客さんがいるから、やめてください」と、Ｙさんにたしなめられた。
「ごめん。ごめん」だったな。
この時、相当酔っぱらっていたらしい。
ここらあたりから、記憶がまだら模様なんだな。

次の記憶は、向かいのＨさんの台所だ。
町内会について、こてんぱんに言っていたらしい。
「また同じこと言ってるよ」と、ここでもやっぱりたしなめられた。
それでも、どうしても、腹が立ち、その腹の虫が暴れ続け、収まらなかった。

帰ったら、「西郷どん」だったが、
意識が朦朧として、観ていたはずなのに、
どんな物語だったかさっぱり覚えていない。
そのまま、眠ったらしいが、
ジーンズと服は、ちゃんと箪笥にしまっていた。
財布もパソコンの前に置いてあった。
ちゃんと着替えて、床に入っていたようだ。

しかし、「ない」のだ。
目覚めてそのことに気付き、少々のパニックだった。
コートと携帯がどこにも見当たらなかった。
「困ったぞー」と思案したら、
きっとＨさんのお宅に忘れて来たのだと合点した。
それで、ゴミ捨ての帰りに、Ｈさんのお宅に寄った。
「クマさん、コートとバックを持って帰って行ったよ」とのこと。
「じゃー、家のどこにあるのか」

半信半疑でコートかけを見てみたら、「あった」だった。
記憶もなく、あれだけ酔っぱらっていたのに、
ちゃんとしている自分のことを発見し、
改めて、「なかなかやるじゃん」と、自分を褒めた。

しかし、今、二日酔いで、頭痛が酷い。
むかむかとするので、何もやる気が起こらない。
飲んだその夜も酷すぎるが、
翌日がまたこんなだから、一日が全く無駄になる。

だから、「酒を辞める」ではなく、「深酒は絶対にしない」とした。
昨日は、缶ビール・缶ハイボール・菊水2本・熱燗3合だな。
Ｈさん宅で飲んだかどうだか記憶にはない。
とにかく、酩酊状態だった。

そんな私の姿を、こうして客観視すると、
何とも酷いものだと、我ながら呆れてしまう。
金輪際、こんな醜態を見せてはならない。
もし、記憶の無いまま、何かをやらかしてしまっては、
本当に取り返しのつかないことになる。
酒を飲むと、気が大きくなり過ぎる私。

ここで、そのことに気付いたのだから、よかったとしよう。
本当に本日、お仕事がなくて感謝、感謝だった。
二日酔いの朝、ＦＭ「キラキラクラッシック」を聴きながら、
あさりの味噌汁で朝食を食べた。
庭には、雀たちが餌を探して、ついばんでいる。
「ああ、こんな時間の流れは、どこかであったなぁ」と、
入院しているあの時間にタイムスリップした。

今、こうして、何もしない日々でも、
時間と共にゆったりと流れられるのは、
あの長期の入院生活から学んだことだった。
時間を大切にしながら、ゆっくりとその時間の流れに身を任せる。
そのためには、頭と身体とがしゃっきとしていることが大事なんだ。

大トラとなり、あっちこっちにご迷惑をかけ、記憶がまだらになることも、
こうして、せっかく晴れてきたのに、
頭痛はするし、胃はおかしいし、何より身体がどんよりと重い。
何の意味もない一日となってしまうことも、
みんなみんな酒のせいだ。
だから、もう辞める。二日酔いにもならない。
自粛するし、自制する。

でも、酒は辞められないならば、深酒は今後一切やらないと誓おう。
そのことに気付いただけでも、昨夜はありがたい日だったと自分で思おう。