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  • from: クマドンさん

    2018年04月26日 09時21分34秒

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    何よりもの恩返し

    さてさて、今朝はまだ酒が少々残っているようだ。
    昨日、叔母さんたちが、私の退職を祝ってくれた。
    その会で、どうやらしこたま日本酒を飲んだらしい。
    弱くなった。
    つくづく感じる。
    だから、本当に気をつけねばと反省している。

    Aさん、95歳だった。
    彼女は夫を癌で亡くしてから30年以上も独り暮らしだ。
    自分でできることは自分でやりたいと、
    ヘルパーさんたちの助けを断り、自立して生活している。

    Sさん、85歳。
    やはり30年前に夫を亡くした。
    私は、この旦那さんからスキーと山登りを教えてもらった。
    今は、独りで寂しさを感じながら頑張って暮らしている。

    Tさん、81歳。
    最近身体が弱って来たと言う。
    やっぱり独り暮らしの寂しさだ。
    足が悪くなってから、外に出ることも辛くなっているとのこと。
    近所に住む私のことを頼りにしている。

    Kさん、87歳。
    その美しさは昔のまま。
    銀行で勤めたバリバリのキャリアをもっている。
    この叔母たちのまとめ役、司令塔でもある。

    Hさん、Kさんの旦那さん。86歳。
    生きていたら父も同じ歳になっている。
    いつもダンディーで元気だった彼も、
    すっかりと足が細くなり、弱ってしまったそうだ。
    あれだれ頑張って続けていた1時間の散歩を辞めたそうだ。

    そんな叔母たちに囲まれて、
    私は、時の立つことの速さを感じた。
    まだまだ、私が幼かった頃、
    叔母たちはまだお嫁に行かず、
    実家のハル婆ちゃんの家で、私のことを可愛がってくれた。

    それぞれが出勤する前に、交代で私の世話をしてくれたそうだ。
    S家にとって初めての男の孫の私。
    ハルさんは、それはそれは大事にしてくれていた。
    みんな優しく、朗らかで、温かな人たちばかりだった。
    私は、そんなS家に生まれてよかったと、改めて感じた。

    やっぱり人は、人の中で育てられるもの。
    もし、叔母たちがそうした人たちでなく、
    強欲で、金に汚く、人を罵り、人を馬鹿にして生きた人だとしたら、
    私たちその子どもたちは、どんな人になっただろうか。
    私は、父や母の子であるということは、
    その父や母に似て育った子であるということだ。

    その性格や、ものの考え方、生き方の基本。
    それは、きっと親から子に自然に伝えられるものだった。
    何を言おうと、どんな立派な説教を垂れようが、
    その親の生き方・生き様は、ちゃんとそこにあり、
    子どもたちは感受性豊かに、それを感じ、そのものに化して行く。

    確かに、反発し、親とは違う自分自身を主張し、形成はするが、
    幼い頃から思春期まで、共に暮らした親の影響を全く受けない子は、
    どこにもいないものだと思う。
    だから、善い子に育つためには、親自身が善い親でなければならない。
    生き方のお手本は、やっぱり親の生き方そのものだからだ。

    そんなことを考えると、私の父や母は亡くなってしまったが、
    私は、父と母の子であって善かったと、今も想っている。
    人に嫌なことをしたり、人を騙したり、人を困らせる人ではなかったし、
    本当に当たり前のように人に対して「施す」「尽くす」人でもあったからだ。

    それは、競馬で莫大な借金を作り、酒でどれだけ武勇伝のある父であったが、
    叔母たちはみんなで「Sさんは、本当にいい人らったよね」と、褒めてくれる。
    そんな父であったことを、私は誇りにも想っている。

    その父と母とが心から待ち望んだことが、私の定年退職だった。
    「兄ちゃんの定年の日まで、生きていたいよ」とは、母のいつもの口癖だった。
    私も、今日を父と母とに祝って欲しくもあった。
    そんな気持ちをも察して、叔母たちがこのお祝いをしてくれた。

    子どもは親を選べない。
    本当に定めの中でこの世に生を受ける。
    ここまで育ったのは、やっぱり親の恩だ。
    つくづくそうした親や叔母たちへの恩を感じた。
    温かな家庭で育てられたからの今、ここの、私だ。

    叔母と叔父たちをおくる。
    それが、私の叔母や叔父への恩返しだ。
    これから益々老いて行き、死へ近づく人たちだ。
    最期は責任をもって私が見とろう。
    それが、私からの何よりもの恩返しだと、改めて想った。

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