新規登録がまだの方

下の[新規登録]ボタンを押してコミュニティに登録してください。

新規登録(無料)

登録がお済みの方はこちら

コミュ二ティポイントのご案内

詳しく見る

親父たちよ

親父たちよ>掲示板

公開 メンバー数:62人

チャットに入る

サークルに参加する

サークル内の発言を検索する

新しいトピックを立てる

サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。

閉じる

  • from: クマドンさん

    2018年04月30日 07時57分02秒

    icon

    太鼓、太鼓、太鼓。ああ、この日が来たな

    さてさて、太鼓の二日間だった。
    まず、私が考えて実行したことは、
    やっぱり下手なのだから、下手は下手なりに真剣に叩くことだった。
    師匠たちの厳しい耳は、やっぱり私の音をちゃんと聴いているのだから、
    褒められるのはずっとずっと先のことと諦めて、
    今、ここに、在る音をただ只管追究する。
    それで、いいと居直って叩けるようになった。

    だから、一番太鼓ではなく、子ども太鼓と一緒に歩いた。
    子どもたちの太鼓の音を褒めながら、
    自分もその間に思う存分に叩かせてもらえるからだった。

    トントントントンと簡単なリズムなのだが、
    そのリズムにそれぞれの叩き手の個性が顕れ、
    それなりに音楽としての響きとして聴かれる。
    そんな面白さを今年は感じるようになった。

    それは師匠の音の真似ではいけないのだし、
    その音とそっくり同じにする必要もない音だった。
    叩いている内に、自分なりの叩き方が顕れ、
    それが、私のスタイルとなっていく。
    その面白さに、いつの間にか夢中になっていた。

    そして、とうとうその日がやって来た。
    昨日、本部に遅くなって私が集結したら、
    待っていてくれたように、師匠が私の隣に座った。
    「うめなってね。昨日、おめさんの長男にも言っておいたれ」だった。
    私は、何だか本当に信じられない気持ちだった。
    太鼓を叩き始めてから10年余り、
    師匠から、いっぺんだって褒めてもらったことはなかった。
    それでころか、
    「いつまでたっても下手くそらな」と、酒の席ではこてんぱんだった。

    それでも、私が太鼓を叩きに行くのは、
    やっぱり私が太鼓の音が大好きだからだろう。
    一番を離れ、最後尾の太鼓を叩くようになったのは、
    重い重い一番太鼓を押せない身体になったことと、
    師匠たちから離れて、思う存分に太鼓を叩きたかったからだ。

    そんな私の太鼓の音を、
    やっぱり時には後ろまで来て、聴いていてくれた師匠だった。
    私は、ありがたくて、ありがたくて、
    ただただ頭が下がった。

    宮昇りで神社の境内で叩いている時だった。
    不思議な感覚に陥った。
    強弱を付けながら太鼓を叩き、そのうちにその音が、
    どうもあの新緑の大きなアカシアから聴こえてくるような気がした。
    確かに私がこうして叩いているのだが、
    その音は、向こうから私に向かって響く音であった。

    創ろうとはしていない。
    ある意味遊びのような自由自在の心境だった。
    だから、ちょっと間違っても、次にはリカバリーして、
    その音を、私は何だか聴き手のようにして楽しんでいた。
    だから、どう想われようとも、どうでもいいこと。
    徹底して、その音そのものに化していた。

    無心とは、どこかに静かに佇んでいること。
    無心とは、ここに身体がありながら、そこには居ないこと。
    撥と太鼓と私と、そして、音そのものとが一体となり、一如だった。

    本当はみんな一つなんだな。

    欲が出たり、迷いが出ると、そのリズムが微妙に乱れた。
    その音にだけ没入して、遊び心で叩き続けると、
    いつの間にか、自分が居なくなってしまう。
    その時だ、師匠が褒めてくれたのは。

    「リズムだて。気持ちいいリズムなんだがの」と。

    そのリズム、律動とは、教科書に書かれているものでは決してなかった。
    その律動を言葉に表現しても、
    その律動と律動の繋がりと隙間と間とを、
    どのような言葉でも表現できない味わいがある空間であり、間合いだった。

    律動が呼吸となる。
    私は、いつまでも叩いていたい気持ちになった。
    誰も聴いていなくても、
    私はずっとずっとこのまま叩き続けたい衝動に駆られ、夢中になって叩いた。

    我が家に帰って来たら、パタンと倒れた。
    もう動けない。目眩がした。全身から力が抜けた。

    これが、太鼓なんだと、やっと一歩そこに近づけた気がした。

    • コメントする

      サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0
    • 拍手する

      サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0

    icon拍手者リスト

コメント: 全0件