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  • from: クマドンさん

    2018年07月22日 10時11分51秒

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    山に行った。

    昨日、村上の山賊の仲間に誘われて、山形の月山へ行って来た。
    6時に朝日のまほろばの里に集合だった。
    3時半に起きた。
    それから、山の支度を整えて、弁当を作った。
    ご飯はタイマーセットで焚きあがっていた。
    弁当のおかずは、冷蔵庫のありものですます。
    ちよっことずつ惣菜を入れる。
    ご飯の上には、佃煮と辛子明太子だ。
    ふりかけも忘れない。

    山に行く日は、
    母が生きていた時には、母が夜中に起きて、天ぷらをあげてくれた。
    トンカツもあげ、時には、ホタルイカの沖漬けを持たせてくれた。
    山の仲間のみんなの分も作ってくれた。
    だから、仲間たちも母の手料理を心待ちにして山に登ったものだった。
    そのごっつぉうは、今は無くなってしまった。

    そんなことを思い出しながら、
    せっせと武骨で、ごった煮のような弁当をこさえてザックに入れた。
    4時半には自宅を出た。
    高速で朝日のまほろばに6時に到着しなければならなかったからだ。
    それでも、高速がそこまで開通したから助かっている。
    もし、この道路がなかったら、3時に家を出なければならなかったからだ。

    さてさて、下界は猛暑の中だったが、
    リフトを降りて1500mは、別天地でもあった。
    風が強く、上空では雲の足がとても速い日だった。
    月山の山頂は雲の中で、
    北東から強くて冷たい風に私たちも晒されながら歩いていた。
    雪を心配していたが、この暑さのおかげで登山道が顔を出していた。
    雪がとけたばかりなので、ここは、早春そのものだった。
    春の山野草真っ盛りだ。

    ニッコウキスゲ・コバイケイソウ・オヤマノリンドウ・ハンサンイチゲ
    イワイチョウ・コイワカガミ・ショウジョウバカマ・ウサギギク
    アキノキリンソウ・ハクサンコザクラ・ノアザミ・シラネウスユキソウ等々
    花の名前を全く知らないこんなクマでも、
    今、思い出してもこれだけの花の名前を挙げることができる。
    とにかく、春の花たちが可憐な姿を見せてくれた山だった。

    私たちは牛首までの尾根を、
    そんな花たちと出会うと立ち止まり、シャッターを切りながら、
    一つ一つの花たちを愛でつつ歩いた。
    だから、ゆっくりゆっりと味わい深い山行きとなった。

    何よりも嬉しかったのは、このクマが汗をかいていないということだった。
    いつもの夏のこの時期の山登りでは、
    顔を汗でびっしょりと濡らし、ぽたぽたと汗を木道に垂らしながら登ったものだ。
    なのに、なのに、山賊のTシャツがまだ乾いたまんまだった。
    短パンからも汗がしたたるどころか、
    着たばったりのように乾いたままだった。
    それほど、気温が低く、過ごしやすかったということだろう。
    これも夏山の恵みの1つだ。

    山頂まで登り40分を前にして休憩したいた。
    50名以上の関川村からの登山団体が通り過ぎ、
    30名位の地元の小学校6年生と親たちの団体が共に休んでいた。
    手軽に登れる百名山であり、花の山である月山は、
    それはそれは人気の山だった。
    こんなにたくさんの人に、下界でも会ったことが無いほどだった。

    そこへ、山頂から降りて来た爺さんが立ち、
    「山頂はすげぇー風で、目も開けられなかったて」とのことだった。
    強風で身体ごと飛ばされそうで、ここへ来てやっと人心ついた顔だった。
    よっぽど荒れているんだろうなぁと、感じた。
    「降りようかね」が、山賊たちだ。
    もう、この山には何度も来ている。
    それに、山頂ではゆっくり座って弁当も食べられないだろう。
    小屋に入るだけでもお金を払わねばならない。
    ならば、花を堪能したし、山の気も十分に味わったから、
    「帰ろかね」だった。

    これができるのが、大人の山登りなんだな。
    せっかく来たから、どうしても山頂に立ちたい。では、ないんだ。
    本当の山登りとは、撤退する勇気だといつも感じている。
    山頂まではもうひと登りだ。
    行こうと思ったら、私たちならひょいと登れる。
    でも、行かない。登らない。
    それが、大人の山登りだなぁ。

    団体さんたちは、それでも登らねばならなかった。
    登ることが、目的だからだ。
    私たちは、違う。
    登ることも目的であるだった。
    だから、状況を判断して、登らないという選択肢を選ぶ。
    そこに、山登りの自由が存在している気がしている。

    登らねばならない山は、どこにもない。
    安全第一。命が一番。
    こんな天気で登ったとても、ガスの中、風の中、寒さの中、
    下手をすれば突然雷が鳴るかもしれない。
    でも、登ることが目的の人たちには、撤退の選択肢はない。

    私たちは、またまた、話しながら、楽しみながら下山することにした。
    雪渓の下りでは、しっかりとロープにつかまって降りた。
    そこで、スキーヤーたちを見ながらの昼食会だ。
    それでも、月山はガスの中で全く姿を現さなかった。
    薄暗くなると、途端に風が冷たく感じられた。
    あの人たちは、あの子どもたちは、
    あの山頂で凍えていることだろうなぁと、感じながら、
    私が作った弁当を食べていた。

    山は、山に居るだけで楽しいんだな。
    山は、登らなくてもいいんだな。
    山は、やっぱりいいもんだなぁと、
    改めて教えてもらった山行だった。

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