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  • from: クマドンさん

    2018年07月26日 12時13分09秒

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    ハンガリー映画「心と体」

    さっき書いていたものが、一瞬で飛んでってしまった。
    本当にショックだった。
    それでもこうして思い直して、書き始めている。
    やっぱりこのことは書き留めておきたいことだからだ。

    自閉症スペクトラムと言う。
    今ではアスペルガー症候群という言葉は使わなくなったのか。
    でも、そうした自分自身に生きずらさを感じている人が居る。
    そうした人を、おかしい人だ、変わった人だと見ている周りの人も居る。
    そんな人のことが、描かれている映画が「心と体」だ。
    本当にピュアな物語だった。

    さてさて、食肉工場の臨時の検査官が彼女だった。
    無口、人とは話さない、かかわらない、
    仕事場では真っ暗な中で、黙って、独り淡々とパソコンの画面に向かう。
    独りであることを、誰とも話さないことを、苦にはしていない。
    ランチの時も、同席の人が居ると緊張するから、独りで食べる。
    同僚の人も気を使って話しかけようとするが、
    何だかかかわりを拒否するサインが彼女からは出されている。
    だから、声をかけられないし、話しかけられない。

    彼女は、人とかかわることを極端に苦手としている。
    相手の気持ちや感情を察することができないからだ。
    例え、その気持ちを言ってもらっても、その意味を感ずることはできなかった。
    そうした気持ちや、感情、感覚に自分自身がなったことが無いからだ。
    だから、共感できない。分かち合えない。
    そうすると、彼女とかかわる相手の人は、違和感と異質な何かを感じてしまう。
    彼女と心で語り合うことは、難しいこととなる。

    発言はどうかと言うと、場の空気を読めないために、とんちんかんなことを言う。
    時には、相手を傷つけることでも平然と言う。
    言われた相手が驚き、悲しみ、腹を立てようが、気付かない。
    彼女にはそうしようとする意図もないし、
    悪気はこれっぽっちもないからだ。
    相手の反応に驚いてしまうのは、その発言をした彼女の方だった。

    異常な記憶力をもつこともある。
    彼女は、自分の初潮の日をちゃんと覚えて言える。
    部長である彼との初めての会話から全てを記憶している。
    その言葉は、十四文であなたは確かこう言ったは、と、一言一句も間違わない。
    大学院を卒業して優秀な検査官としてここに来た。
    彼女は全て規定通りに処理をする。
    食肉を全てBランクとして評価する。
    この肉は確かにAランクの肉なのに・・・。
    部長がわけて訊いて驚いた。
    「2~3mm規則より脂肪が厚くついてました」
    その数ミリ単位を見ただけで見分けられる。
    そして、融通は全くきかない、会社に大きな損失を与えても我関せず。

    興味・関心をもつことが少ない。
    友達は、いなくてもいい。
    いや、どうして友達が必要なのか分からない。
    ずっとずっと独りで居られる。
    そのことが、辛くて、哀しくて、哀れに想うことは全くない。
    そもそも、そうした人とのかかわりを求めていないからだ。

    ところが、そんな彼女が、突然恋に落ちた。
    いや、突然胸騒ぎがして、心がざわざわと動き出した。
    これはいったい何ですか?
    自分自身の心の突然の変化に驚いているのは彼女自身だった。

    左腕が不自由な初老の部長と、彼女とは、
    全く同じ夢を毎晩見ていることが分かったからだ。
    牡鹿と女鹿になった二人は、冬の北欧の森で暮らしていた。
    森を走り、水辺で憩い、葉っぱを食べ、二匹で寄り添う。
    毎晩その物語は変わるが、同時的に二人は、その物語の主人公だった。
    男は牡鹿となり、雄々しく森を駆け抜ける。
    女は女鹿となり、牡鹿に導かれるようにして、牡鹿の後を追う。

    二人は、前夜見た夢を紙に書き、互いに見せ合う。
    全く同じ物語がそこには書かれている。
    離れて眠る二人は、夢の中で牡鹿と女鹿とで寄り添って暮らしている。
    そして、その実感は、とてもリアルで、温かい。
    ある夜、二人は二匹の鹿が交尾した夢を見た。
    いや、それは男と女とが交尾した快感と喜びだった。
    「幸せだった」と、その瞬間を想い出して呟く男。

    夢の世界では五体満足の多しい牡鹿であり、
    その牡鹿を心から愛し、慕っている彼女だった。
    ところが、現実世界では、「心と体」とに不自由を感じている二人だった。

    女は、セックスの快感を感じるためにポルノ映画を観続ける。
    その表情は、硬く、何も感じていない無垢な表情のまま。
    男と話したくなり、携帯を購入する。
    音楽を好きになろうとCDショップで20枚以上のCDを視聴する。
    全く微動だにもせず、無表情で、ヘッドホーンからのロックを聴いている。
    何も感じなかった。

    女鹿の時に感ずるものを、
    女は女である時に全く湧き上がって来ないし、感じなかった。
    しかし、CDショップの女の店員から勧められた一枚のCD。
    その恋への哀しみの歌は、彼女の歌だった。
    彼女は、その歌を聴きながら、自分の心がやっと分かるようになってきた。
    感情が微動し、揺れはじめ、揺れることで始めてそれがあることを知った。
    感覚も感情も無味な中で生きて来た彼女に、
    心の芽生えが起き始めた。
    しかし、そんな時、ほんのささいなすれ違いが起こり、
    彼女は、バスタブで自分の左手の手首をガラスで切って自死しようとする。
    血がどっと溢れ、バスタブを真っ赤に染めた。

    さて、彼女はこのままここで死んでしまうのか・・・・。

    続きは、ぜひぜひこの映画を観て、感じて欲しい。

    彼女のような人を私は知っている。
    さてさて、大事なことは、私がその人たちとどのようにかかわるかなんだな。

    男と女とは、一緒に暮らし始める。
    しかし、物語は、ここから本当に始まるのだ。

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