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  • from: クマドンさん

    2019年02月17日 07時27分37秒

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    あき乃のお母さん

    あき乃のお母さんは、まだお休みだった。
    レジの前にいつも座っていたお母さんの姿が見えない。
    それだけで、寂しい感じがする。

    常連のお客さんたちは、
    ご主人にレジで支払いをするとき、必ずお母さんのことを聞いている。
    「具合はどうですか」
    「早くよくなるといいですね」と、
    心から心配し、気遣っていることがよく感じる。
    それだけお客さんから想われている人だった。
    その人柄が、その会話からも忍ばれる。

    私がお店に入ると、いつも笑顔で迎えてくれた。
    「いらっしゃい。いつも、ありがとうございます」
    この「いつも」という言葉が、とてもとても温かい。
    本当に心からの感謝の想いが伝わって来るからだ。

    私が、N大の病院のベッドで、痛みに耐え、身体の不自由に耐えていた時、
    私の希望は、あき乃で野菜天ざるを食べることだった。
    もし、退院できる日が来たら、
    真っ先にあき乃のお母さんに会いに行こうと、心で決めていた。
    そうやって、闘病し、日々を生き抜き、とうとう退院の日を迎えた。

    そして、私は、念願のあき乃に行った。
    変わり果てた私の姿に、お母さんは驚いたようだった。
    10キロ近くも減量だった。
    まさに病人のような弱弱しさで、私はお店に入った。
    そして、緊急入院と、10時間の手術、蘇生したこととを話した。
    本当に辛く、苦しい日々でもあったが、
    その中で、いかに楽しく生きるかを、考えるようになったとも話した。

    真剣にそんな話を聴いてくれ、そして、深く深くの同情だった。
    優しい人なんだ。
    それは、後で分かったけれど、彼女もまた病の人であったからだ。
    「大変でしたね」
    「元気になって、よかった。よかった」と、その言葉一つ一つがとても温かい。

    何だか本当の母のような気がした。
    ありがたい人だなぁと、いつもいつも感心している。
    人に尽くすことが当たり前。
    その尽くすことが身体に沁みている。
    言葉と心はそのまんま。
    深く深くいい人なんだな。

    若かりし頃、さぞやお美しい人だっただろう。
    今でも、その美しいまま、清楚に、品よく生きている。
    凛として、しゃんとして、温かく、人の痛みを我が痛みと感じている。
    そんなお母さんの人柄に惹かれてやってくるお客さんも多いことだろう。

    元気になってもらいたい。
    養生して、腰を直し、お店のレジに座っているだけでいい。
    今は、レジの前は厨房からの通路となり、
    前より広く、がらんとしている。
    その広さが、かえって不在感を深く感じさせる。
    座っていてくれるたげで、いい。

    花が好きだと聞いていた。
    花がお母さんの心を少しでも癒してくれればと、願っている。

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