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from: クマドンさん
2019/05/17 05:24:58
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不思議だなぁに立ち会った
昨夜、不思議だなぁに立ち会った。
やっはり、こんな物語もあるんだなぁとの深い深い実感だった。
東区ボーイズの合唱練習だった。
私は、15分ほど遅れての参加だった。
歌は「ふるさと」だった。
モダンな編曲ハージョンだ。
低音の音どりが難しい。
それでも、上手く歌えると、
ハーモニーが、実に心地よい歌になる。
そんな合唱を、いつものようにK先生は指揮をしていた。
バスがよく響いているとの実感で、
彼女も気持ちよく指揮をしていた。その時だった。
「でんわです。でんわです」の声が聴こえた。
先生の携帯が、指揮をしている先生を呼んでいた。
いつもならば、携帯は鳴らないようにしていた。
また、着信を確認しても、練習途中では、電話に出なかった。
しかし、直ぐに指揮をやめて、カバンから携帯を取り出した。
私たちは、「ふるさと」の途中で歌をやめた。
「はい、はい、・・・」と話ながら、
部屋を出て、廊下に行った。
きっと重要な電話なんだと、参加した大人たちは悟った。
そして、再び彼女が部屋に入って、
静かにみんなに語ったことに驚いた。
「たった今、山形の父が亡くなったそうです。」
「92歳でした。」
「今日か明日かという状態でした・・・。」
私たちが「ふるさと」を歌い、
先生が指揮をしていたその最中に、
最愛のお父さんが、この世から去って行かれた。
振り返れば、まさに、旅立って行くお父さんに、
私たちは「ふるさと」を歌って送っていたということだった。
きっと先生のお父さんには、この歌声が聴こえたと私は思った。
いや、きっと魂は、ここに、そう、あの空いていたパイプ椅子に座って、
先生の指揮する姿と、私たちの歌声とを、
そこで笑顔で、きっと、観て、聴いていらしたのだと、感じた。
今日明日が峠だというそんな状況でも、
先生は練習をお休みにせず、ここで「ふるさと」の指揮をした。
そこには、私が想像も出来ない万感の想いがあったことだろう。
お父さんは、自らバンジョーを弾いて、
フォスターを歌う人だったそうだ。
「歌が大好きな人でした・・・」と、しみじみと語った。
何だかね。
人生には、こうした奇跡の瞬間が用意されている。
本当は私たちは、不思議の中を生かされている。
不思議を信ずる。
深い想いの顕れを信ずる。
その場に立ち会った私は、実感としてその不思議を感じた。
一刻も早く山形に帰って、お父さんに会いたい彼女は、
それからも、6月のコンサートのための曲を練習した。
「それだけは、やってから、山形に行きますね・・・」
先生にも一生忘れられない夜となっただろう。
ロシア民謡の「ともしび」を歌い、
最後は「オールド・ブラック・ジョー」を歌った。
フォスターが大好きなお父さんに捧げる歌だった。
「録音して、お葬式の時、父に聴いてもらいますね」と、
旦那さんが、携帯に録音した。
その時の、私たちの心は、みな一つになっていた。
亡き人の魂を悼み、その鎮魂への願いを込めた歌声だった。
もう二度と、こうした想いで歌を歌うことはないだろう。
このシュチェーションこそ、奇跡の場だと、歌いながらの感慨だった。
「山形は、すぐに火葬して、通夜はお骨だけなんですよ」と、
旦那さんと先生とは、山形に駆けつけるために、
部屋を出た。
「気をつけて」としか、みんなは言えなかった。
「ふるさと」を歌っている最中に、お父さんの訃報が入った。
それでも、今度は亡くなったお父さんに聴かせるために、
再び、私たちを指揮して「ふるさと」を合唱した。
この真摯な音楽に対する彼女の態度に、
深く深くリスペクトだった。
そして、この姿を観て、どれだけお父さんは、その娘のことを、
誇りに思ったことだろう。
先生は、まだ生前のままのお父さんに会えたのだろうか・・・。
ただただご冥福を心からお祈りします。 合唱・合掌。-
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