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  • from: クマドンさん

    2019年05月30日 05時29分22秒

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    叔母さんたちからの「問い」だ

    94歳の叔母さんのAさんのお見舞いだった。
    小針の医療センターの個室で3カ月間の入院だった。

    突然、倒れた。
    それも、あの寒さの2月の台所だった。
    ストーブもつけられず、凍えたままで土日を過ごした。
    本当に助かったことは、奇跡だった。

    偶然、その家の前をケアマネが車で通りかかった。
    ちょっと顔を見て行こうと、玄関に立ったら、鍵が開いていた。
    声をかけても返事が無かったので、心配で家の中に入って見たら、
    Aさんは、意識無く、台所の冷たい床に倒れたままだった。
    直ぐに救急車を呼び、この病院への緊急搬送だった。

    全ての臓器の機能不全だった。
    よく今、息をしていると、医師は驚いたそうだ。
    それでも、Aさんの生命力の強さだった。
    臨終も有りうる状態の中から、
    その生命力によって、日に日に回復の道を辿った。
    この世に、かっての私のように生還を果たした。

    その回復力は、驚異だった。
    来週の月曜日に退院となる。
    寝たきり。ただ、ベットに横になり、天井を見上げて暮らす日々。
    個室だから、話し相手もここには居ない。
    退院したら、老健に入る。
    特養は満員で、順番待ちだそうだ。

    「死にたいて・・・」
    「生きていても・・・」
    二人の息子は、埼玉と静岡だ。
    帰って来る気は全く無かった。
    Aさんが50年も住んでいた家は、
    今、すっかり整理され、Aさんのものは捨てられ、ゴミとなり、
    いつでも壊して、更地にすることができる状況になっている。
    つまり、Aさんは、帰る家も無くなってしまうのだ。

    亡くなっても、帰る家も無い。
    その魂は、一体どこに還ると言うのだろうか・・・。
    これが、老いて行く。身体が不自由になる。そのことの現実だった。

    甥の私には、何としてやることのできないこの状況だ。
    「やるせないな・・・」
    老健に入ったら、何かあった場合の緊急連絡先は、
    新潟に暮らす私だった。
    一番最初に、駆けつける人となる。
    息子二人は、他県だった。

    帰りに、90歳の叔母さん、Sさんの施設に行った。
    夕食の時刻だった。
    Sさんは、黙ったまま、俯いて動かなかった。
    私が車椅子の彼女の隣に座って声をかけた。
    しかし、薄っすらと目を開けて私を見たが、何も反応せず、
    また、黙って俯いた。
    認知症がまた進んだようだ。

    スプーンで、ご飯・煮魚・豆・マカロニサラダを食べさせた。
    本当に一口一口、ゆっくりゆっくり咀嚼して、時間がかかる。
    15分かけても、減り目が見えない。
    男性の職員が隣に座った。
    食事のテーブルが変わったのは、自力で食事ができなくなったからだった。
    「介助が必要になりました・・・。」
    そうか、そうだったのか・・・。

    「また、来るよ」と、声をかけて、Sさんと別れた。

    人は、老いる。人は、衰える。そして、人は、孤独だ。
    あの施設に居る全ての老人は、いつか来る死を待つ人たちだ。
    私のことすら分からないまま、自分自身のことすらままならないまま、
    生きるの意味を問うことも無く、
    何だか、霞がたなびき、消え去るように、そっといつの間にか居なくなる。

    さて、人生とは何だろう。
    さて、生きるとは何だろう。
    さて、生きるの幸せとは何だろう。

    いつも高齢の叔母たちに会うと、その「問い」を預けられる。
    これは、とても重く、深い、「問い」だった。

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