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from: クマドンさん
2019/08/16 07:32:07
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キャンプで味わう至福とは
そして、13日・12日と家族4人でキャンプに行った。
標高は嘘をつかないと信じて、妙高の笹ヶ峰牧場だった。
車で車道を登れば登るほど、確かに涼しくはなって行った。
あの耐えられない熱風が、涼しさに薄まった気がした。
今回のキャンプは、川崎に住む次男が帰省しているので、助かった。
テントやタープの設営は、兄弟でせっせとやってくれた。
2人がまだ小学生だっ頃、全部の仕事は、父である私の役目だった。
それを、こうして彼らに任せられることの幸せだ。
キャンプには用具がそれなりに求められる。
そうした情報をゲットして、最新の用具や機器を長男は準備する。
だから、キャンプに行く度に、何かが変わり、便利になった。
今年で3回目のキャンプである。
行く度に何かの失敗があり、何かの不具合に遭遇する。
すると、次のキャンプではそのことが改善され、快適になっている。
さてさて、私は何をしているか。
それは、せっせと薪割をトマホークを使って延々と続けていた。
長くて太い廃材を、一本一本半分に切り、
それを縦に裁断して、焚き付け安い薪に改良した。
この作業に、いつの間にか無心ではまった。
人は、何か工夫することに喜びを感ずるもののようだ。
まず、どこをどのように刃を入れたら、楽に切れるのか、試行錯誤を繰り返した。
次に、縦にすぱっと刃を入れるために、どうやって薪を立てるかの工夫だった。
長男たちは、設営の為の合理的な手順をお互いに相談して決めていた。
後は、二人でのあうんの呼吸で、テントは立てられる。
タープについては、二本の支柱のバランスを考え、
どの角度から引き合うことで強度を保てるかの試行錯誤だった。
45度というのが、なかなか安定する角度でもあった。
妻は、その間に食器を点検し、食材をテーブルに準備し、調理の手筈を整える。
その時も、思考はきっとフル回転だったであろう。
まず、この食材を調理して料理にするためには、
いくつもの細かなプロセスを積み重ねる必要があるからだ。
炊事場は10mくらい離れた所にある。
彼女は、食材や鍋を持って、何度もそことテントを往復する。
そして、タープの下にテーブルを置き、
いよいよ本格的な調理に取り掛かった。
長男は、焚火台を用意して、薪を並べ、着火剤で火をつけた。
火を守る人が、キャンプではとてもとても大事な人だ。
確かに、キャンプ用のガスもあるが、
やっぱり煮炊きや、焼き物は、この薪と炭火の火に限る。
彼は、いかにして小さな炎を大きな炎とするかの工夫を繰り返す。
火焚きに集中する喜びは、私もよくよく味わった喜びだ。
そして、食事にかかる。
焚火台は1台であるから、調理の順番が課題となってくる。
まず、何を煮るのか、何を焼くのか、
出来た料理から順番に、その焚火の周りで食事する。
目の前で焼かれたラム肉をほおばる時の至福・至福。
鱒も焼かれ、鮎も焼かれた。
焼き立ての熱々を食することの至福・至福。
それを味わいながら飲むビールの美味いこと。至福・至福。
さて、空はすっかりと星空となった。
残念ながら満月だったが、そんなこともものともせずに、満天の星だった。
あちらこちらで夕餉の賑わいだ。
特に幼い子どもたちの居るテントは、にぎやかで、ほのぼのと温かい。
みんな夕餉の食事に至福を感じている。
そんなテントやタープの灯りが、あちらこちらで見える。
そして、人の楽しそうな話し声や笑い声がこちらにも届く。
ああ、みんな一日の終わりを味わって生活しているんだなぁの実感。
他の人たちの生活が、こんなに顕わに見える場所が、キャンプ場だな。
これって、みんな、実は、「縄文」ではないだろうか。
大自然の真っただ中で、道具を使って生活を工夫して生きている私たち。
焚火台の上で薪を積み重ね、炎を燃やし、肉を焼いたり、煮炊きする私たち。
集落で共に暮らす隣近所の人たちの食事や生活の姿をお互いに見せ合う私たち。
ここには、お互いの生活を気遣い、ある距離感の中で、
お互いの生活と気持ちとを尊重し合っての生活が成り立っている。
だから、大声は出さない。騒音は立てない。配慮し合った生活がここにあった。
ああ、キャンプの楽しさとは、この「縄文」に帰る楽しさでもあるのだなぁ。
ふと、そんなことを考えて嬉しくなった私だった。
兄弟はテントを設営した。
父は、薪を鉈で割って薪を造った。
母は、せっせと夕餉の支度をした。
長男は、焚火台で炎を育てた。大きな火とした。
次男は、そこでの煮炊きを賄った。焼き具合を見て、煮え具合を見た。
そして、家族で火を囲んでの食事だった。
こんなことは、この家では不可能なことだった。
確かに翌日の朝の撤収と荷物運びと車への積み込みは苦労する。
しかし、それも家族で協力することの喜びでもあった。
そういうことなんだ。
共に力を合わせ、助け合って生活することの喜びを、
私は、きっとこのキャンプで味わっている。
自然の中で、限られた道具を使って生きることで、
家族の結束と絆とは、いっそう強く深まって行った。
これも、「縄文人」の心なんだろうと、ふと、感じた私だった。-
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