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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2019/10/13 08:27:54

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    忘れたこととは何か

    台風19号の脅威を、きっと忘れないと思った。
    夕方から新潟市でも風が強よまり、
    ベランダのサッシを強くたたき、その揺れる音が不気味に感じた。
    日本列島をすっぽりと覆う巨大台風のため、
    この強風警報と大雨特別警報が、いつ解除になるか予想もつかなかった。
    それでも新潟市は、進路から大きく外れた位置にある。
    それなのに、あの強烈な風だった。
    家の中で居ることの安心をつくづく感じた。

    次男は、川崎の多摩川のすぐ近くに住んでいる。
    多摩川の氾濫もニュースで流れた。
    何と次男の住んでいるアパートの数キロ先だ。
    私が散歩したあの用水路の氾濫だった。
    救けに行ってやるわけにもいかず、
    電話で「じっとしていろ」と言うだけだった。

    何が起こるか、確かに一寸先も分からない。
    予報はできるが、現実に起きることを予見はできない。
    次々と起きて来るその事態を、
    ただただ見つめ、理解し、恐れ、慄き、じっと耐えるばかりだった。
    向こうからやって来たものだ。
    こんな事態を誰も望んではいないことだ。
    できれば、避けたい。
    しかし、この巨大台風は、時速30キロの遅々たる速さで、伊豆に迫った。

    箱根では、1000mmを超す降水量だった。
    東北では1年間の雨量の2~3割がひと晩に降り続けた。
    土種崩れ。河川の氾濫。堤防の決壊。
    この未曽有な雨の量では、その災害を避けることは難しい。
    自然の猛威とはよく言われる。
    その猛威・脅威に対して、人間は、やっぱり無力なものだった。

    あらかじめ避難することの大切さだ。
    「ここには来ない」「大丈夫」だという保証は、どこにもない。
    我が家は比較的高台である為に浸水の被害は免れたとしても、
    強風で家屋が倒壊したり、何かが飛んで来て被害を受けることは想定される。
    独り暮らしのお年寄りは恐怖の中でこの風の音に耐えていただろう。
    大雨・強風。もはや、避難するタイミングは、失っていた。

    やっとくることは分かっている。
    そのための備えも怠っていない。
    避難のための準備もできた。
    ところが突然の突風に竜巻だ。
    堤防が切れて、千曲川の氾濫だ。
    一階は全て川の流れのど真ん中となり、
    家族は二階に取り残された。
    しかし、河川の水位がそれ以上増したとしたら、
    家の柱が折れ、土台からもっていかれて、崩れたとしたら。
    そこにある命の保証はどこにもないということだ。

    災害を経ることで、日々の当たり前のありがたさにやっと気付く。
    「災害は、忘れた頃にやっ来る」
    それは、私がきっと、日々を生かされていることのありがたさを、
    ちゃんと感じて、ちゃんと覚えて、生きていないことへの、
    何だか戒めの言葉のように今は聴こえる。

    私が、忘れているのは、生かされているこの命の在り難さなんだ。
    日々、こうして平穏無事に生活できることの在り難さなんだ。
    家族と共にこうして何事も無く暮らせる平凡な幸せの在り難さなんだ。
    人は、失ってから、やっとそのことに気付くものだ。
    それは、病気になって、初めて健康の在り難さに気付くのと同じことだ。
    やっぱり人は、失わないと、今、ここの、在り難さには気づかないのだろうな。

    何を忘れたと、この言葉の主は、私に教えているのかと言えば、
    それは、以前の東北大震災のことであり、新潟地震のことでもあるが、
    本当は、私が忘れているのは、この命の大切さであり、
    家族とこうして無事に平穏に暮らせる日々の在り難さ、感謝ではないのだろうか。
    生かされていることの感謝を忘れて生きている時、
    天は、その人たちに災害をもたらし、
    命が在ることの原点の生き方にリセットさせる。

    私は、今回の19号によって、「忘れた頃」の意味が分かったような気がした。
    被害に遭った人たちの無事をただただ祈るしかない私だ。
    人とは、ほとほと災害には無力な存在なのだと、実感した。
    この静かな風の音と、曇り空でも明るい朝を、
    私は、在り難く感じている。

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