いつかは笑える日が来るのだろうか。

昨日、シンさんのお店にコンサートのチラシを届けに行った。
お客さんが激減していることを聞いた。
コロナウイルスの脅威だ。
しかし、よくよく考えたら、新潟市の感染者は、限られた人だけ。
そのお仲間だけの濃厚接触。
私が、そのお仲間と濃厚接触することは、まず在り得ない話。
それでも、やっぱり、怖いから、人が出ない。

大きな居酒屋さんは、キャンセルの嵐だそうだ。
そして、新規の電話は、全く鳴らない。
日々の商売が成り立たなかったら、
やっぱりお店も立ち行かず、休店・閉店も致し方なし。
そのために、店主は大きな借金をかかえ、
従業員は解雇の憂き目だ。

このウイルスで閉店を余儀なくされた店は、たくさんあった。
公共施設もその一つだ。
図書館すら閉館となっている。

また、海外とのやりとりができなくなり、
輸入・輸出業者は、大打撃をくっている。
中国に商談で渡っても、二週間は足止めをされる。
動けない。隔離される。二週間だ。
連鎖反応が、次々に起こっていることだろう。

街に人の姿がまばらになった。
すると、デパートや商店にも、買い物のお客は減ってしまう。
賞品が売れない。
売り上げが前年度の同じ月の半分になったと嘆く店もある。
まだ商売ができるならよいが、
シャッターを閉めてしまったら、収入が皆無となる。
まさに死活問題だ。

子どもたちを預けられない親たちは、仕事を休むしかなかった。
しかし、非正規では既にこのような状況で影響を受けているはず。
見えないけれど、このウイルスによる解雇・失業は多くなるだろう。
一旦、失業しても、この閉塞的な状況では、再就職も難しい。
貯金を取り崩して生きる。
貧しさに、貧しさが拍車をかける。

いつか笑える日は、必ず来るはず。
今は、じっと我慢の時。それならば何とか耐えられる。
しかし、それは、いつまでのことなのかの問いだった。
明確には言えなくても、正しい情報を的確に伝えて欲しい。

あの大型客船に乗っていた70代の夫婦の話だ。
夫は感染者であり、ある病院に2週間隔離された。
妻は陰性であったが、発症の危険があるので同じ病室の違うフロアーに隔離。
夫は、その後2回の検査で陰性であったので、
妻と共に退院できた。
夫の症状は、軽い風邪と同じだったる
薬での治療は無く、自然治癒に任されていた。
濃厚接触者である妻は、全く発症しなかった。
これが、このウイルスの事実だ。

しかし、二人が恐れているのは、感染ではなかった。
自分たちがあの客船に乗り、感染したことは、ご近所では噂になっている。
自分たちが自宅に帰っても、「こっちに来ないで」と言われそうだと、
妻は、溜息をついていた。
「4月からだ」と、夫も3月の生活を諦めていた。
これは、まさに人権問題だった。

目には見えないこのウイルスを恐れている。
しかし、それ以上に感染者となり、キャリアとなることで、
多くの人たちに迷惑をかけ、ある店は閉店し、ある保育園は閉園した。
あれだけ感染力の強く、症状が重く、一気に蔓延するウイルスでも、
このような過剰反応は社会では起きなかった。
学校でも学級・学年閉鎖はあっても、長期の休校には至らない。

コロナウイルスの症状は、インフルエンザよりもずっと軽い。
子どもや若い人たちは、感染していてもそのことすら感じないままで生活できる。
死に至るのは、体力が落ちているお年寄りや、持病のある人たちだ。

タミフルなんだな。
このコロナウイルスの正体がまだ不明で、
それを退治するための特効薬がまだ開発されていない。
そして、見えないことで、不特定多数の他者に感染させてしまう危険がある。
だから非常事態宣言のまま。
株価が世界的な暴落をしている。
このウイルスで、世界はどこか変わって来た。
まさかのことが、日々、世界中で行われ始めている。

そして、その変化・動きを、止められない。
さてさて、これからどうなって行くのだろうか。
このウイルスによって、人生が一変した人もいるだろう。
仕事を失った人もいるだろう。
生活に困窮している人もいるだろう。
家庭で虐待を受けている子どももいるだろう。

人の生活とは、そんなに無常なものだったんだ。

しかし、いつか必ず笑える日が来ることを、私は信ずる。