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  • from: クマドンさん

    2020年03月12日 05時37分52秒

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    死者が生者に語る言葉は

    3月10日は東京大空襲の日。
    11日は東日本大震災の日。
    この二日を、私たちは決して忘れてはいけないと思っている。

    昨日、祈りの姿が見られた。
    あの時刻になったら、みなが一斉に海に向かって祈った。
    また、家族が亡くなった建物に向かって祈った。
    その祈りには、どんな言葉が語られていたことだろう。

    両親と妻と小学1年生の長女を津波で失った人の話だ。
    9年もたった。
    しかし、その人の中では両親も妻も長女も亡くなったその日のままだる
    よくぞそんな悲しみの中で、耐えて、独りで生きて来た。
    何とも言えない辛さ、悲しさに私も襲われた。

    私だったら、どうだろう。
    いつもその祈りの姿に、私の人生を重ねてみる。
    今、ここに、妻と長男と暮らしている私。
    川崎には次男が独り暮らしをしている。
    ああ、今、私には、申し訳がないが、家族が居てくれる。
    私は、その祈りの姿から、今、ここで、家族と共に暮らせる幸いを思う。

    震災のガイドになった60代の男性がいた。
    まさか、自分がその高校の建物でガイドをすることになるとは思わなかったと言う。
    全てを津波が奪って行った。
    確かに、30~40分間の猶予があった。
    しかし、まさかそんな巨大な津波が襲って来るとは、
    当時の誰も予想すらしていなかった。
    そして、逃げ遅れ、津波に巻き込まれ、行方不明となってしまった。
    彼は、ガイドをしながら、悲しみが噴き出し、涙が止まらなくなってしまったと言う。
    それでも、彼は、伝えることの責任と使命感を感じていた。

    彼が伝えたいことは、何か。
    それは、やはりこの世の無常、そのものではないだろうか。
    まさか、その日、一瞬で大切な家族を失うことになろうとは。
    まさか、津波で、街そのものが流されて消え去ろうとは。
    まさか、その日から狭くて寒い避難所暮らしで途方に暮れた日々を送ろうとは。
    そんなことを誰が創造して、平穏な日々を生きているかだった。

    その無常であることを、私たちは、日々忘れて、暮らしている。
    突然、家族の命が奪われてしまう、その恐ろしい現実だ。
    ならば、もっと生きている間に、あれも、これも、してあげたかった。
    もっともっと優しくしてあげればよかった。
    好きな旅行に連れて行き、好きなことをもっともっとやらせたかった。
    喧嘩しなければよかった。
    もっともっと、相手の気持ちを考え、尊重してあげたらよかった。
    しかし、そのことに気付いた今、その人は、ここには居ない。
    もう、してやりたくても、してやれないの、無常感。

    そして、みんなはどこかに、助けてやれなかった負い目を感じてた。
    もっと早く逃げていればよかった。
    仕事場から直ぐに駆けつけてやればよかった。
    おんぶしてでも山に逃げればよかった。
    しかし、その時は、そんな巨大な津波が迫っていることに、気付かなかった。
    みなどこかで、後悔と負い目とを感じていた。

    震災から復興したことを感じている人が、38%だった。
    それは、阪神・淡路大地震が9年後に74%だったことと大きな違いだ。
    この二つの想いの違いを、もっともっと私たちは深く深く受け止めねばならない。
    私は、昨年、気仙沼を訪ね、三陸鉄道に乗った。
    やっとわたしにもその意味が分かった。
    あの土地にたちと、それがよく分かる。
    街が消えた。家が消えた。お店が消えた。道路が消えた。その現実。

    千年に一度の大津波。
    それは、自然の無常だった。
    その前に人は無力だ。何も出来ない。為す術も無い。尊い命を失う。

    しかし、東京大空襲は、どうだろう。
    焼夷弾の雨を降らせ、市民を焼き打ちにしたB29。
    これを、私たちは、どう考えたらいいのだろうか。
    その問いは、日本人はずっとずっと問い続けるべきだとの確認だった。

    死者は、生者の祈りを聴き、生者に死者の言葉で語り続ける。
    その死者の言葉にこそ、私たちが今を生かされる真実があるのだと、私は思う。

    ご冥福を心から祈ります。

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