新規登録がまだの方

下の[新規登録]ボタンを押してコミュニティに登録してください。

新規登録(無料)

登録がお済みの方はこちら

コミュ二ティポイントのご案内

詳しく見る

親父たちよ

親父たちよ>掲示板

公開 メンバー数:62人

チャットに入る

サークルに参加する

サークル内の発言を検索する

新しいトピックを立てる

サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。

閉じる

  • from: クマドンさん

    2020年03月17日 05時39分14秒

    icon

    太陽の黒い棘をとりに行ったよ

    昨日、朝から腹痛だった。
    夜中にしくしくと腹が痛くなった。
    「あれっ、またか」と、いつものやつを心配した。
    しかし、これは、また、忙しさが続き、飲み会が続いたせいなのだと了解し、
    休むことにした。

    3月までの私の勤務だ。
    4月は一カ月間お休みをいただく。
    鹿児島の西郷さんに会いに行き、
    そこからJRの一筆書きで新潟まで帰る旅の企画だった。
    しかし、コロナにより、それは無理との断念だった。
    そんなら、4月からの仕事を探しておけばよかったとは思わない。
    独りで自由に居られる。
    それが私にとっては何よりものことだった。

    日曜日に「賢治の会」があった。
    さすがにコロナのために、コミセンには人が居ない。
    そして、この童話を読み、感想を言いあう会にも参加者は少ない。
    このコロナにより、私たちは、分断と孤立を余儀なくされた。
    本当はもっともっと普段通りの生活をするべきなのだが、
    何だか勝手気ままに生きていると、非国民と想わせるような状況がある。

    「ベンネンノルデはいまはいないよ 太陽の黒い棘をとりに行ったよ」

    これが今回の賢治の本の題名だ。
    物語ではない。
    その物語が、物語として語られるためのプロットルだった。
    太陽に黒い棘が出る時、
    この世界に不吉なことが起きる。
    この土地では、その黒い棘が見える時、
    恐ろしい火山の大爆発が起きる。
    それは、大爆発の前触れ、予兆だった。

    一回目の火山の大爆発の後、
    ノルデは、その火山灰の大地を耕し、広大な農地を造った。
    そこで作物を植え、育て、愛する妻と仲間たちとで収穫の喜びを感じた。
    ノルデたちは、その土地で幸せに暮らした。

    ところが、また、太陽に黒い棘が現われた。
    そりの棘がどんどん増え、その拡散は止まらない。
    すると、またあの大爆発した火山に異変が起きる。
    またまた、爆発の兆しが見えるのだ。
    火山ドームがもっこりもっこりと山頂で大きくそびえる。
    まことに巨大なビルデングがたち上がったようだった。

    さてさて、ノルデは、どうしたか。
    彼は、その火山の大爆発を食い止めるために、
    その不吉な予兆である黒い棘をとりに太陽までの旅に出かけた。
    どうしてノルデなんだではない。
    誰かがそれをやらなければ、この土地は火山の爆発で不毛の土地と化してしまう。
    多くの人たちがその火砕流に巻き込まれて命を失うこととなる。
    予兆は、日々明らかになる。
    何とかしてその予兆を食い止めなければならない。

    しかし、そのためには、誰かが命を失う必要がある。
    それは、誰?

    賢治さんの物語には、いつもこのような極限状況に追い込まれる主人公がいる。
    それは、賢治自身のことである。
    その時、彼が選ぶ道は、「自己犠牲の道」だった。
    人々のために自分の命を捨てる。
    それは、究極な人間の生き方の道。菩薩の道だった。

    この物語は、プロットルだけで、物語とはならなかった。
    「グスコーブドリの伝記」が似た物語だ。
    その時は、ブドリが人々を助けるために独り島に残り、犠牲となる。
    それも自己犠牲の生き方だった。

    しかし、何だか宿命のようなものを感じた。
    この太陽の黒い棘は、火山の大爆発への不吉な予兆である。
    だから、ノルデは、自分が行くと、命を賭して太陽に向かう旅をしている。
    物語は、ここで終わっている。
    その後、ノルデはどうしたのか。
    太陽の黒い棘をとることができたのか。
    この火山の大爆発を食い止めることができたのか。
    それは、ここには書かれていない。

    そして、コロナだ。
    コロナとは、太陽の炎である。
    コロナウイルスは、太陽の黒い棘なのではないだろうか。
    今、ここに、天変地異の不吉な予兆が世界中で顕れた。
    ならば、人間は、何をすべきなのか。

    賢治さんの物語は、いつも、今、ここに、いかに生きるかの問いだった。

    そんな瞬間が来た時、
    そんな究極の選択に立たされた時、
    私は、どの道を選ぶのか。
    そこにきっと私の人生の物語が存在している気がしている。

    もし、私が卑怯にも、怖気づいて、逃げてしまったとしたら、
    その後の人生の物語は、きっと一変するだろう。
    それは、どう自分自身を誤魔化し、弁解しようとも、
    そんな自分のことを許せないと感ずるかもしれない。
    「勇気」なんだな。
    賢治さんの物語には、この勇気のある人が現われる。

    私たちが、子どもたちに伝えて行かねばならないことは、
    自分を捨てる「勇気」なのではないかと思う。
    そのためには、私が、そうして生きる大人とならねばならない。
    賢治さんは、物語を通して、いつも私の前にはにかんだ笑顔で座っている。
    「クマさん、どう思いますか。」
    「クマさんは、そう生きていますか。」

    • コメントする

      サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0
    • 拍手する

      サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0

    icon拍手者リスト

コメント: 全0件