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  • from: クマドンさん

    2020年04月28日 06時40分58秒

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    自然からの言葉を求める

    私たちは、今回のことで何を失ったのか。
    そして、いつまで続くか分からないこの現状の最中に、
    私たちは、どう生きたらよいのかの「問い」だった。

    4時からの「明日への言葉」で能楽の観世流の家元の話だった。
    銀座に4月から新たに観世流の能楽堂をオープンする。
    この放送は、それを予告するための放送であった。

    2020年は、「東京オリンピック・パラリンピック」の年である。
    多くの外国からのお客さんが日本にやって来る。
    オリンピックでは、スポーツ競技と同様に、
    その国の文化・伝統を伝えることも大きなイベントとして位置付けられている。
    だから、日本の伝統芸能の能を世界中に伝える絶好のチャンスである。

    そのために、オープンにふさわしいプログラムを用意して、
    日々稽古に精進し、自らの技に磨きをかけている。
    若い能楽師たちにも発表の場を設けるために、
    古典的な演目を現代的な感覚でとらえ、創り直した演目を考え、稽古している。

    また、銀座には、歌舞伎座が在る。新橋演芸場がある。
    そして、帝国劇場がある。
    つまり、この機会に歌舞伎と落語と演劇でタイアップして、
    日本の芸能・芸術の素晴らしさをしってもらいたい。
    今、それがどのような形で出来るか、話し合いを進めている。

    さて、やはり芸は古典であっても、現代的な感覚を取り入れる必要がある。
    だから、次の世代に芸を受け継ぎ、発展させるために、
    この新たな能楽堂のオープンを機会に、
    伝統芸能である能を体験・体感できる機会としたい。

    そのことは、世阿弥が「風姿花伝」でちゃんと書いているそうだ。
    次の世代にこの芸を受け継いで行く心構えと方法だ。
    芸は、次の世代に受け継がれてこその、芸だからだ。
    その時、本筋・魂が正しく受け継がれねば、芸そのものが死んでしまう。
    だから、稽古はいつも命懸けでやるものだ。

    室町700年の伝統としての「お茶」「お花」「お能」を、
    これからも若い人たちに受け継ぎ、いつまでも伝統として生き続けて欲しい。

    それから、能を観て、鑑賞することも大事であるが、
    昔の武将たちは、自ら能を舞ったものだった。
    舞うことの喜びと感動。
    自らが舞うことで、能が伝えて来た本当の魂を自らの魂とする。
    ぜひ、みなさんに実際に白足袋を履いて、舞台に立ってもらいたい。

    さてさて、ここで家元から語られたことが、全て失われてしまったことだった。
    2020年の東京オリンピック・パラリンピック。
    4月からの観世流能楽堂のオープン記念イベント。
    そして、歌舞伎座での歌舞伎。
    新橋演芸場での落語・漫才・コント・色物
    帝国劇場での、演劇・ミュージカル・宝塚。
    全てその日の為に長い長い月日をかけて準備して来たものだった。

    つい、数カ月前では、このことは、当たり前となっていた。
    私は、東京に新幹線で出かけ、能や演劇やミュージカルを鑑賞できる。
    移動はJRや地下鉄だった。
    東京では安いホテルに宿泊したはず。
    そして、レストランも居酒屋も、選ぶのに困るぐらいの営業だった。
    街にはいつものように人の波。
    どこへ行っても列に並ぶ。
    東京駅のあのごったがえした喧騒はどうだろう。
    しかし、今は、これも無くなった。

    こんな日が来るとは、誰もきっと予想すらしていなかったと思う。
    しかし、現実に、この日が来た。
    さて、どう生き延びるかの「問い」は、
    きっと全ての人たちへの「問い」となっている。
    しかし、当たり前に、当たり前のように生活していた時、
    この「問い」をもって生きていた人たちはどれぐらい居たのだろうか。

    不連続・断絶される可能性がある。
    生活の糧である収入を失うことが在る。
    仕事が全てキャンセルとなり、全く仕事の予定が立たない日が在る。
    自粛要請があり、休業・時短を余儀なくされることがある。
    希望と期待を胸に新入学・新社会人となったのに、学校が、会社に行けない。
    アスリートたちは、活躍する目標の大会を失い、
    プロの選手たちは、試合が全く無くなった。
    芸能人は仕事を失い。音楽家たちはステージを失い。役者たちは舞台を失った。

    コロナウイルスは、人の命を奪うこともある恐ろしい感染症だ。
    しかし、こうして感染していない人たちの生活の収入を奪い、
    こうして予定していた仕事を奪い、
    その人たちの夢や希望をも奪っているウイルスでもあるということだ。

    だからと言って、自粛は感染拡大を防ぎ、収束を早くするために、
    守らねばならないこととは思っている。
    しかし、だからこそ、今は、哲学者や、文学者や、芸術家たちの「言葉」が、
    求められているのではないのかの「問い」だった。

    ウイルスにはワクチンや新薬の開発が待たれている。
    それでは、心の感染に対しては、やはり「言葉」が必要なのではないだろうか。
    今こそ、その人たちに語って欲しい。
    今は、みんな「今日をいかに生きたらよいのか」迷っている時ではないかと思う。
    この孤独をどうやって慰めたらよいのかと苦しんでいる時ではないかと思う。
    人と人とが会うことすら批難される時を、どうやって人と人とは繋がればよいのか。
    人はみんな独りなんだが、孤立することはとてもとても耐えられないことだと感ずる。

    さてさて、この状況とは、何だと今朝、考えていた。
    「ああ、そうだ。あの長期入院の日々と同じだなぁ」と、私は気付いた。
    状況的には、半強制的な入院状態ではないだろうか。
    「家を出ないでください」
    「人が集まるところには行かないでください」
    「劇場にもコンサート会場にも行かないでください」
    本当にあの時は、身体も不自由であったから、
    全く病室・病院の外には出れなかった。
    それまで当たり前のように日々やり、楽しんでいたことを、
    一切できなくなった。奪われた。
    そこで、日々を生きることを余儀なくされた。

    私は、あの時に、独り生きることの楽しみを学んだ。
    一日を一日として何か1つだけでも喜びを感じて生きられるルーテーンを学んだ。
    そして、「忍耐」である。そして、「希望」である。
    それは、「いつか必ず退院したら、あき乃で蕎麦と天ぷらを食べる」と、
    私のベッドでの痛み・苦しみの「目標」となった。
    その「いつか必ず」は、私の日々を「生きる力」となった。
    けっして「このままでは終わらない」という「覚悟」になった。
    今も、その時と、同じ気持ちで日々を生きている。

    どういうわけか、4月から無色透明な存在となった。
    平日の日中は、独りぼっちでここで生きている。
    だから、考えることが多くなった。
    本当に自分と向き合う時間も多くなり、本も読んでいる。
    こんな時は、確かに「言葉」が生きる力であり、希望であった。
    その「言葉」は、今の私たちと同じ極限状態・非常事態の中で紡がれ、
    この世に生まれて来た「言葉」であるからだ。
    今こそ、自分を救う「言葉」との出会いなんだなぁと、感じている。

    世阿弥の「風姿花伝」の話があった。
    私は、この書物の題名を考えてみた。

    「能とは、風に舞う花の姿なんだ」と、気付いた。
    「音楽とは、風の奏でる音そのものなんだ」・・・「風姿音伝」
    「色とは、風に揺れながら輝く花の色そのものなんだ」・・・「風姿色伝」
    つまり、本当の芸の師匠は、自然のあるとの気付きだった。

    その気付きを顕わにしたのが、舞踏であり、能であり、音楽であり、絵画である。
    それは、何だか「あるがまま」の「自然の言葉」ではないだろうかの「問い」だった。

    このことを、昨日、小千谷のSさんと対話した。

    この非常事態宣言下で、人が求めているのは、
    この「自然からの言葉」なのではないだろうか。

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